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産業副産物をアップサイクルし“新しいウォッカ”を造るカナダの蒸留所〈DAIRY DISTILLERY〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回はカナダ・オタワの気になるサービスを紹介。

photo & text: Hatsuki Matsui / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.廃棄物となるミルクパーミエイトを活用。
2.CO2排出量を既存の製法の半分に抑える。
3.ラクトースフリーのクリームリキュールも。

産業副産物をアップサイクルし“新しいウォッカ”を造る蒸留所

オタワ近郊アルモンテに位置するウォッカの蒸留所〈Dairy Distillery〉は、産業課題をユニークに昇華させる注目企業だ。ウォッカは通常ジャガイモや穀物から造られるが、彼らの製品《VODKOW VODKA》はミルク由来。通常廃棄される乳製品の産業副産物「ミルクパーミエイト」から蒸留している。

従来の製法ではジャガイモなどの糖化の過程でエネルギーと水を大量に消費する。一方ミルクパーミエイトは乳糖を含む液状で、糖化のステップが不要なためエネルギーも生産時間も削減できる。さらに軽量ボトルを採用することで、既存の蒸留法に比べCO2排出量を半分にとどめることに成功した。

カナダ産生クリームと彼らのウォッカをブレンドした《INFUSED CREAM LIQUOR》は、日本人に嬉しいラクトースフリー。地元企業との協力にも努めており、例えば〈EQUATOR COFFEE ROASTERS〉とコラボしたコーヒー味や、〈HUMMINGBIRD CHOCOLATE MAKER〉と作ったチョコレート味など。〈Fulton's Sugar Bush〉とタッグを組んだメープル味は今や人気フレーバー。コーヒーに入れたり、カクテルを作ったりするのに最適だ。

エコや地域活性化の気運が高まるカナダの風潮にマッチし、ニュース番組で取り上げられることも多々。産業廃棄物のような一見すると社会に不要なものにこそ、世の中を動かす種が眠っているということかもしれない。

カナダの蒸留所〈DAIRY DISTILLERY〉
工場はモダンな納屋をイメージ。

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