3つのポイント
1. 地域に根差した独立系映画館。
2. オークランドの文化を象徴するデザイン。
3. ヴィーガン対応の本格カフェテリアも。
地域密着のサステイナブルな独立系映画館
カリフォルニア州のオークランドに位置する〈ニュー・パークウェイ・シアター〉は、決して「普通の映画館」ではない。新作映画から懐かしの名作まで、“something for everyone(誰もが楽しめる作品)”を上映することを目指している。
カフェスペースもあり、地元の人々が集まるイベントが毎日開催。地域から集められたユニークなヴィンテージのソファやインテリアが並び、映画館内部もまるで自宅のような、リラックスした居心地だ。カフェメニューはローカルで旬な素材で作られた料理が提供され、ベジタリアンやヴィーガンにも対応。ビールやワインもセントラルバレーのカベルネ、オークランドのIPAなどローカルな銘柄が並ぶ。
「世界で最も環境に優しい映画館」を目標としている通り、食器やナプキンもすべて再利用可能なもの。雇用が不安定なアメリカでは珍しい、生活できる賃金をスタッフ全員に支払っており、チップは不要。「一つの町に、一つこういう場所を作りたい」と話すジェネラルマネージャーのJ・モーゼス・シーザー。もともと企業家だったが、2009年に閉店した、カリフォルニアで初のラウンジ形式の映画館といわれたパークウェイ・シアターに深い思い入れがあり、12年前に新たにオープンした。映画館が立て続けに潰れ、新たな出会いが生まれる「サードプレイス」がなくなりつつあるアメリカで、こうして町の人々が集まれる場所は必要だ。