3つのポイント
1.レコード4万枚、CDやカセットも多数所蔵。
2.声や歌を吹き込み、レコードを制作できる。
3.名曲や人気歌手にちなんだ飲食メニューも。
自分だけの一枚も制作可能。音の歴史を共有するレコードカフェ
大安森林公園近くの閑静な住宅街にあるレコードカフェ。店主は音楽好きの主婦だった林珮如(リン・ペイルー)。友人のコレクターから7,000枚ものレコードを譲り受け、当初は自宅で鑑賞会を開いていたが、「より多くの人と分かち合いたい」と店をオープンした。
コレクション数はレコード4万枚、CD6,000枚に及ぶ。ジャンルはジャズやポップス、映画のサントラ、アニメソングなど多岐にわたり、台湾以外に香港や日本、欧米のものも数多く含まれる。80年代に一世を風靡したポップシンガーのラブソングなどもあり、「どの世代の人たちも青春の一曲を探し出せますよ」と林は胸を張る。エルヴィス・プレスリーが好物だったというバナナ入りのホットサンドや、人気バンドの楽曲から着想を得たカクテルなど、音楽にちなんだフードやドリンクも好評だ。
「蓄音機の王」と呼ばれる《Credenza》の1925年製の一台を備え、稀少なシェラック盤レコードを試聴できる。企画コーナーでは90年代のTVドラマ主題歌など毎回異なる切り口で展示する。そして地下の録音室では、3~5分間のレコードを自ら制作することが可能。遠距離恋愛中の男性がプロポーズの言葉を吹き込んだり、戦前に活躍した女性歌手・鶯鶯(インイン)が、往年の歌曲と現在の声を対比させるように吹き込んだことも。音楽配信サービスが主流な昨今だが、アナログな手法で音を体感できる場は多くのファンの支持を得ている。