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〈FUGLEN ASAKUSA〉〈蕪木〉etc.東京のスペシャルティ系コーヒーゼリー6選

喫茶店の代名詞だったコーヒーゼリーも、今や豆の個性を味わう新章へ突入。スペシャルティの豆を惜しみなく使い、抽出法や固める素材も様々。その完成度はもはや料理の域!

photo: Jun Nakagawa / text: Yoko Fujimori

Beasty Coffee(代々木公園)

スペシャルティのブレンドで作る通年楽しめるヒットメニュー

〈アマダナ〉がデザインするコーヒー器具を扱うフラッグシップカフェ。オリジナルブレンドを3種用意し、コーヒーゼリーにはコロンビアにブラジルを加えチョコレートのような甘味を出したダークブレンドを使用。

細挽きにして湯に浸漬し、キビ糖で甘味をつけてゼラチンでゼリーに。程よい苦味がヒタヒタに注いだコーヒーミルクとピタリと合う。

代々木公園〈Beasty Coffee〉コーヒーゼリー
500円(アイス添え600円)。

堀口珈琲 狛江店(狛江)

三十余年の歴史を誇る夏の風物詩。進化を続けるゼリーの最新型

1990年の創業時から作り続ける“スペシャルティ系コーヒーゼリー”の先駆者。2024年は従来のキューブ形でなく、スプーンですくって盛り付ける新スタイルに。豆は日々替わり、写真はエチオピア ウォテ ナチュラルの深煎り。トゥルンとした口溶けの奥にナチュラルらしい果実味と妖艶さが広がる!世田谷店でも提供。

狛江〈堀口珈琲〉コーヒーゼリー
夏季限定、9月末まで。アイス付き880円(単品720円)。

FUGLEN ASAKUSA(浅草)

カクテルと楽しむ大人の仕上がり。自家製ベリーソースで“味変”を

バータイムを有するこの店らしい一品。豆は果実味豊かなものを選び、写真はケニア AA バリコンゴ。アガーのフルフルの食感とともにアセロラのような風味が広がる。自家製ミックスベリーソースがゼリーの酸味とよく合い、後半にこのソースをかければ楽しい“味変”に。

アルコールとも好相性で「カクテルとぜひ合わせて」という店の意図に納得!

浅草〈FUGLEN ASAKUSA〉コーヒーゼリー
800円。

蕪木(蔵前)

2種のゼリーをコーヒーで包む“固めないゼリー”という新概念

店主の蕪木祐介さんがコーヒーの香りを損なわぬよう固めず注ぎたいと考案した異色作。グアテマラ産ラム酒と黒糖の2種のゼリーに、ネルで濃厚に抽出したグアテマラの深煎りを注ぐ。ラム酒は寒天で、黒糖は葛で固め、口溶けも2種。グアテマラのナッティな香味が花開き、芳醇な食後感に唸る。

蔵前〈蕪木〉コーヒーゼリー
夏季限定、9月末まで。850円。

ignis(千駄木)

上質な豆を丸氷の型で形成するアーティスティックなゼリー

世界の稀少ロットを揃える一軒。ゼリーの豆はほぼ日替わり、写真はコロンビア・ミラン農園の“ナイトロ ウォッシュド”。窒素を使い発酵させる最新精製法で、これを60℃で低温抽出、アガー(海藻など植物由来の凝固剤)で固める。

丸氷の製氷器で作る球体のゼリーはもはや発明。メロンのような甘美な風味と、カクテルグラスで艶めく姿に感嘆。鎌倉店でも提供。

千駄木〈ignis〉コーヒーゼリー
700円。

LOU(中野)

米粉のクランブルが華を添える“喫茶店のゼリー”の新解釈

代表の松島大介さんが、地元・中野の喫茶店で食べていたコーヒーゼリーの記憶を、若きパティシエが再構築。浦和のロースタリー〈ミシェル〉の豆(季節によって替わり、この日はグアテマラ 中深煎り)をアガーで固めて香りを閉じ込め、トロけるような食感に。

熊本の〈ブランコ アイスクリーム〉のアイスの口溶けと調和し、米粉のクランブルが塩味と食感を添える。見事な三位一体!

中野〈LOU〉コーヒーゼリー
800円。