Learn

世界からお届け!SDGs通信 北京編。農村の手仕事を都会に届け、その魅力と価値を伝える〈無用〉

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回は北京から!

text: Junko Haraguchi / edit: Hiroko Yabuki / 写真提供: 無用

連載一覧へ

手染め、手織り、手縫いによる天然繊維の服を提唱

〈無用〉は農村の手仕事の持続を理念に、中国の著名デザイナー・馬可が立ち上げたブランドだ。中国南部の珠海にスタジオを設け、手染め、手織り、手縫いの技をもつ農村の女性たちを招き、そこで制作した衣服やベッドリネンなどを販売する。素材は麻や絹、綿といった天然繊維。馬可のデザインに沿い、長い時間をかけて制作される手仕事の結晶には、販売後は無期限の修理サービスを提供、サステナブルな服の在り方を提唱する。

馬可は、2008年パリ・オートクチュールコレクションに中国のデザイナーとして初参加。2013年以降は、習近平国家主席夫人、ファーストレディである彭麗媛の公務服デザイナーも務める。中国の第6世代映画監督・賈樟柯が馬可の制作プロセスを追ったドキュメンタリー『無用』は、2007年ヴェネチア国際映画祭で部門最高賞を受賞。ファッション界の外にも広く影響力を持つクリエイターだ。

順調にキャリアを歩んできたようだが、そのプロセスは、大量に生産されては捨てられていくファッション産業への疑問の連続だったという。そんななか、農村の手仕事が育む、服と人とのぬくもりのある関係にインスパイアされ、〈無用〉の設立に至る。2014年にはブランドの理念を伝える〈無用生活空間〉を北京に創設。農村の手仕事を現代につなぐ馬可の思いと作品に触れることができる。

連載一覧へ