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世界からお届け!SDGs通信ミラノ編。女性起業家2人のスタートアップによるデジタル介護サポート

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はミラノから!

text: Shiho Sasaki (Studio Sakamoto) / edit: Hiroko Yabuki

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在宅介護におけるイタリア初の、デジタル・オンデマンド

イタリア保健省は、高齢者介護の第一の場所を「家庭」とすることを目的として、2026年6月までに、65歳以上の人口の少なくとも10%が在宅介護支援を受けられるよう、30億ユーロの投資を決定した。支援拡充には、在宅ケアの遠隔サポートやデジタル化が課題となるなか、2018年に、女性2人の共同経営で立ち上げたスタートアップ企業の〈UGO〉が、イタリア初の在宅介護オンデマンドのデジタルサービスを発展させている。同社の共同創立者フランチェスカとミケーラが、社会の変革とともに急増する高齢者介護の需要と、介護者の人材不足改善に役立てることは何かを考えたときに、思いついたビジネスだという。

同行、おつかい、付き添い、この3本柱を主軸にした同社が提供するサービスは、多岐にわたる内容が含まれる。自宅での生活補助、送迎、病院の付き添い、薬の配達、スーパーでの買い物、高齢者の孤立を防ぐための話し相手、遠隔医療のオンライン診療補助など。高齢者、要介護者、がん患者、その家族も利用が可能。寄り添うサポートを行うことで、要介護者だけでなく、家族の介護疲れも軽減することができる。

オンライン見積もり、予約、決済までが可能という迅速さと、個々の要望に寄り添った対応「Su Misura (ス・ミズーラ)」(いわゆるオーダーメイド)式というのがアドバンテージと言えるだろう。現在500人を超えるケアギバーのネットワークがあり、病院、製薬会社、介護サービスの非営利団体ともパートナーシップを築きながら、5年間でサービス提供可能都市を国内に10都市以上拡大を続けている。

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