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世界からお届け!SDGs通信 シンガポール編。剪定で排出された枝木を使う家具ブランド〈Arthur Zaaro〉

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はシンガポールから!

text: Ayako Tada / edit: Hiroko Yabuki

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剪定で排出された枝木を資材に
街の進化をも感じさせる家具

「Garden in the City(庭の中の都市)」というコンセプトのもと、街づくりが行われているシンガポール。そのため、自生の樹木に加え、多くの植樹がなされる。それらの剪定作業が、日々、行われてもいるのだが、枝木の排出量は、なんと日に10トン。剪定・伐採された枝木の中には木材として名高い樹木も含まれており、これらを家具や雑貨の材木として活用できないか、と目をつけたのが〈Arthur Zaaro〉だ。

インドネシアなど近隣諸国から廃棄材を輸入して生産を行うサステイナブル系家具メーカーは他にもあるが、同社は国内で排出された廃棄材を利用する、珍しいブランドと言える。国外からの評価も高く、『APAC Magazine』で、東南アジアで最もサステイナブルなホームアクセサリーと家具を作っているメーカーとして2021年度に表彰された。

〈Arthur Zaaro〉の製品は、材木用に切り出されたわけではない木材を使っているため、テーブルであってもきっちりとした長方形ではない。同じデザインのものは2つとなく、製品の表情が一つ一つ異なるのが特徴だ。
ユニークなのは、使用廃棄材がどこから排出されたものなのかがわかること。

「Hillview地区の剪定作業にて」などトレースが表示されており、親近感がわく。また「3年前にチャンギ空港拡張工事のために伐採されたアフリカンマホガニーを2年かけて乾燥させたテーブル」などもあり、家具を起点に、街の進化の様子にも思い馳せることができる。

Arthur Zaaro(アーサー ザーロ)

住所:122 Eunos Avenue 7, Richfield Industrial Centre #08-07, Singapore 409575|地図
営:11時〜17時
休:火曜
HP:https://arthurzaaro.com/

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