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世界からお届け!SDGs通信 北京編。巨大製鉄所の跡地に誕生したラグジュアリーホテル

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回は北京から!

text: Junko Haraguchi / edit: Hiroko Yabuki

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製鉄所跡地に誕生した豪華ホテルが、産業遺跡の活用例としてホットスポットに

〈首鋼集団〉といえば北京では誰もが知る、国営の巨大製鉄メーカーだ。20世紀初頭からの歴史を誇るが、近年は環境保護のため多くの工場が北京中心部から移転および操業停止に。その産業遺跡の活用例の一つとして、いまホットスポットになっているのがシャングリ・ラグループの手がけるホテル「北京首鋼園香格里拉」だ。

開業は2021年12月末。敷地面積は3.06万㎡、客室数283室。パブリックスペースのA棟は、首鋼集団の旧発電所の構造をそのまま残し、ガラスで包んでいる。産業遺跡を提示すると同時に、あふれるほど置かれたグリーンに十分な自然光と温度を与える環境に配慮したデザイン。斬新な空間は「Ahead Asia2022」など多くの国際アワードを受賞している。

ホテルの所在地である「首鋼園」は、2022年北京冬季五輪開催地には、会場の一部にもなった。ホテルを出るとすぐ近くに、冬季五輪に使用されたジャンプ台がある。「ハイヒール」の愛称で呼ばれるジャンプ台は、冬季五輪競技で使われた後もそのまま残されていたが、ホテル建設時に周囲に残る産業遺跡との視覚的バランスが配慮され、角度などが調整された。周囲の産業遺跡も入れて自撮りする観光客がひっきりなしに来訪。工業遺産の魅力を新しい形で伝える、刺激的なスポットになっている。

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