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世界からお届け!SDGs通信 バルセロナ編。米のもみ殻で車の部品を作る自動車メーカーのプロジェクト

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はバルセロナから!

text: Yuki Nakamori / edit: Hiroko Yabuki

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プラスティックの代替を模索した結果、米のもみ殻で車の部品を生産!

〈SEAT(セアト)〉は1950年に創立されたスペインの自動車メーカー。バルセロナ郊外のマルトレルに本社工場を置き、約1万5000人が働いている。彼らが現在取り組んでいるのは、米のもみ殻をプラスティックの代替として車の部品に使用する研究プロジェクトだ。

もとよりスペイン人は米をよく食べる民族であり、同社の本社のあるカタルーニャ州も米の名産地である。そして世界に目を向けると、毎年約7億トンの米が生産され、その2割がもみ殻で再利用されることもなく廃棄されている。そこに目をつけたのが、同じカタルーニャ州内のタラゴナ県Montsiá(モンシア)の米穀協同組合だ。同県では年間6万トンの米が収穫されるが、そのうち1万2000トンのもみ殻を「Oryzite(オリザイト)」という生分解性プラスティックの素材に変え、自動車の部品などに使うための研究が進んでいるのだ。

米のもみ殻は自動車における石油由来の部品を減らすのに役立つのと同時に、部品を軽量化することで、自動車の生産におけるカーボンフットプリントを減らす。つまり商品やサービスの原材料の調達といった最初のプロセスから生産、流通を経て廃棄・リサイクルに至るまで、ライフサイクル全体を通して排出されるCO2の排出量を減らすことも可能になる。現在〈SEAT〉のステーションワゴン〈LEON〉のトランクの部分の部品への使用が試作されており、見た目だけでは従来のものと全く変わらないという出来栄え。今後の展開が注目される。

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