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世界からお届け!SDGs通信 ベルリン編。公共の植物をシェアする“食べられるランドスケープ”

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はベルリンから!

text: Akiko Watanabe / edit: Yuriko Kobayashi

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公共の場にある様々な植物の存在を通して季節とその土地を体感する。いつも身の回りにあるサステナビリティ

ウェブサイト「Mundraub」(ドイツ語)は、世間がサステナビリティに注目し始める以前、2009年にスタート。このサイトではドイツ全土の公共エリアにある、収穫可能な植物(果物、ハーブやナッツ等)のある場所をマップに示し公開している。

設立者が友人との国内旅行先で、全く手付かずの果実の木を見かけ、試しに口にしてみたら普段スーパーで購入するものよりもはるかにおいしく、また収穫行為自体が純粋に楽しい体験だったことから、他者にもこの体験を共有したいと思ったことが始まり。

それ以来、全国からマップに追加できる情報が集まり、それらを回るツアーの企画や収穫のキャンペーンの数々を実行。また、自分たちの実体験から得た知識、必要な道具や収穫時期なども公開している。マップを見ると収穫可能な植物は田舎のみならず、都市部でもたくさん見つけられることが分かる。 ちなみに「Mundraub」は乱獲には反対で、個人の最低限必要な量を収穫したら、後はその土地に住む動物や土壌のために残しておくことを勧めている。今では地域ごとの協力者も揃い、「食することのできるランドスケープ」を維持・拡大すべく2024年現在も様々な活動を継続中だ。

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