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世界からお届け!SDGs通信 台北編。オーガニックハーブを自社栽培!「養生」がテーマのホテル

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回は台北から!

text: Mari Katakura / edit: Hiroko Yabuki

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有機ハーブや独自開発の鶏肉料理も話題!健康や環境に配慮した花蓮のリゾートホテル

台湾の東部・花蓮県にあるリゾートホテル〈秧悦美地度假酒店〉(ヤンユエメイディードゥーチアチョウディエン)。創業者の尹純綢は元看護師であり、三十数年前にハーブの効能に目覚め、オーガニックハーブの栽培を開始。台湾東部は高温多湿なため、ハーブ栽培には適さない土地だが、数々の困難を克服し、現在は2ヘクタールの農園を有している。

客室にはハーブを用いた蒸気サウナが設置され、レストランではハーブや野菜をふんだんに用いた養生料理を提供。地元の有機農家とも提携し、二十四節気に合わせた体に優しいメニューを作り上げている。敷地内の養鶏場では、畜産試験場と8年かけて共同開発したという「Gaea格雅雞」を育成。ハーブを飼料にした低脂肪、低コレステロール、低カロリーの鶏肉で、これを用いた鍋料理やチキンエッセンスは国際的な評価を得ている。また館内の清掃には合成洗剤を使用せず、回収した雨水はハーブ農園の水やりに、レストランの食品廃棄物は肥料として用いている。

農場では1ヘクタールあたり毎年平均3.95トンの二酸化炭素の排出を抑制しているほか、小規模農家の六次産業化(農林水産業従事者が生産物の価値を高めていくこと)も促進し、地域と一丸となって持続可能な農業を推進。こうした積極的な取り組みが認められ、2023年にはオランダのグリーントラベル認証制度で二つ星を獲得したことで、内外からさらに注目を集めている。

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