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世界からお届け!SDGs通信 メルボルン編。医療の届かない地域に眼科医療を提供する専門財団

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はメルボルンから!

text: Mifumi Obata / edit: Hiroko Yabuki

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豪州出身のハリウッドスター、ジョエル・エドガートンがアンバサダーを務める眼科医療の専門財団

オーストラリアの眼科医フレッド・ホローズ(1929〜1993)は、国内の先住民コミュニティや、ネパール、エチオピアといった医療の届かない世界各地を訪れ、眼科医療を提供し、数え切れないほど多くの人々の視力回復に尽力した人物だ。

1992年、フレッド医師が亡くなる直前に設立した財団〈フレッド・ホローズ財団〉は、その遺志を引き継ぎ、視力回復支援のほか、現地の医師や看護師への訓練を続け、地域の人々が持続可能な長期サービスを提供できるよう支援。彼が強く望んでいた、貧富の差に関係なく、誰もが質の高い眼科医療を手ごろな価格で受けられるよう、ネパールやエリトリアに眼内レンズの生産工場を設立するなど、精力的に活動を展開している。

そのチームの想いに共鳴し、メンバーに加わったのが、豪州出身の俳優であり、監督や脚本家としても活躍するジョエル・エドガートンだ。2013年から同財団のアンバサダーを務め、国内外での活動を積極的に支援。認知度を高める手助けをしている。2020年1月には、ネパールの眼科医が存在しない僻地、ラメチャープ郡の郡都マンタリのアイキャンプ(野外開眼手術活動)に合流。そこでは同国のティルガンガ眼科研究所のサンドゥク・ルイット医師率いるチーム主導のもと、3日間で約150人の眼科手術が行われ、視覚障害者の生活に変化をもたらしたことで大きな話題を集めた。

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