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世界からお届け!SDGs通信 ウェリントン編。家庭菜園での余剰収穫物をシェア、交換

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はウェリントンから!

text: Mari Clothier / edit: Yuriko Kobayashi

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収穫物の余剰分はほかの人と交換。無駄なく、皆に野菜がいきわたる

ニュージーランド人は、もともとガーデニング好きだ。都市部を除いて一軒家に住む人が多く、庭が身近なせいもあるが、近年は野菜や果物の値上がりの影響で、自分で野菜作りをする人が増えている。

家庭菜園で育てる定番野菜といえば、ジャガイモ、ネギ、ズッキーニ、レタス、トマト、キャベツ、ブロッコリー、シルバービート(フダンソウ)など。中には育ちが早く、食べるのが追い付かないものもある。友達や近隣の住人に配っても、まだ余る。

そんなときには、収穫物を交換する集まり「クロップ・スワップ」に出るといい。さまざまな町で行われており、野菜や果物はもちろん、手づくりのジャム、花束なども持ち込まれる。「シード・スワップ」はその種子版だ。また、地域の人々が共に作物を育てるコミュニティガーデンは国内に200以上ある。メンバーに収穫物を配っても余分があるときは、指定の貯蔵小屋に収穫物を入れておく。誰が取っていってもいいようになっているので、無駄を出さずに、皆が新鮮でバラエティ豊かな野菜、果物を食べられる。野菜づくりが好きなニュージーランドならではの活気で楽しいアイデアだ。

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