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世界からお届け!SDGs通信 バルセロナ編。個人宅のプールを個人に貸し出すサービス

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はバルセロナから!

text: Yuki Nakamori / edit: Yuriko Kobayashi

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時間ごとに家のプールを貸し出し。副収入を得つつ、水不足解消にも一役買う!

〈Cocopool〉は、個人宅の庭にあるプールを個人に貸し出すスペイン発のプラットフォームだ。ウェブサイト経由でユーザー同士がやり取りできるAirBnbのプール版のようなものである。

CEOのジェラルド・チャラバルデは、プール付きの一軒家からアパートに引っ越した経験があり、その際に「あの(前の家の)プールが借りられればいいのに」と思ったことが、2022年にスタートアップ企業を起業するきっかけとなった。

1時間ごとに個人間で貸すことで、プールの所有者は副収入を得ることができる。スペインでは都市部でも郊外の家などで個人宅にプールがあるのは、めずらしいことではない。経済的に余裕がある人が所有しているイメージがあるが、維持にはお金がかかるので、副収入は助かるのだ。

1時間で料金は20ユーロから200ユーロまでと料金には幅があるが、プールを貸し出すユーザーは、1シーズンで平均4000ユーロの副収入を得ているというから驚きだ。

コロナ渦以降、人が多い公共プールを避ける人も多い。ここで需要と供給がマッチした。また、誕生日パーティーやベイビーシャワーなど、家族や友人と開催するお祝いなどで集まる際に半年前から予約をして利用する人もいるという。広い庭つきのプールも多く、バーベキューをすることも可能で、楽しみ方はさまざま。今年はさらにSNS等で知名度も上がり、前年比4倍の売り上げとなっている。

今年、深刻な水不足で非常事態宣言も出ていたバルセロナ。意外なところで水を大事にできるシェアサービスが今後もさらに注目されるだろう。

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