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ありそうでない、中華とクラフトビールのペアリング。代官山〈Choi.s〉

中華で飲む日の正解は、もちろん何を食べたいかによって変わるもの。ワインと中華がもはや定番化する中、クラフトビールや中国茶割り、リキュール。さまざまな酒を提案する店が出てきている。飲み道楽のためのシン・中華酒場。

本記事は、BRUTUS「中華な気持ち。」(2025年5月15日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Koji Okano

麻婆豆腐×クラフトビール

今や国内のクラフトビール醸造所は1,000に迫る勢い。すっかり日常に定着した感があるが、中華とペアリングが可能な店は意外と少ない。

「町中華の酒の定番がビールなので、合わないはずがない!いや間違いなくベストペアリングです」と、大のクラフトビール好きで〈Choi.s(チョイス)〉オーナーシェフの前川祐也さん。名店〈MASA'S KITCHEN〉の立ち上げから関わって、2021年に独立。厳選した国内の醸造所の数量限定の銘柄を缶で置く。

名物は麻婆豆腐で、老若男女から愛されるマイルドな辛さ。これに三重〈ひみつビール〉のファームハウスエールを合わせれば、コリアンダーやフェンネルの風味が、ラー油の香味を引き立てる名脇役に。

挽き肉もたっぷりの麻婆豆腐1,600円は、ランチの定食でも人気。中国たまり醬油の旨味と唐辛子のスパイシーさのバランスがいい。清涼感ある飲み口で喉越しにも秀でた〈ひみつビール〉のビールと仲間330㎖1,400円。

一方、前川さんのイチオシ、故郷・静岡の〈West Coast Brewing〉のホップの風味が強烈ににじむビールには、注文のたびに包んで蒸し上げるシュウマイをペアリングすべし。挽き肉をベースにセセリ、砂肝、ナンコツを加えた肉あんから滴る旨味を、しっかりと受け止める飲み口だ。