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BRUTUS 愛猫写真グランプリ!〜後編〜

BRUTUS.jpと、SNSでの募集に大量に集まった、愛の溢れる愛猫写真たち。脇田あすか、若木信吾、甲斐みのりら3人の猫好き審査員とともに、BRUTUSなりの視点でグランプリを開催。果たして審査員の心に刺さった写真たちとは?前編はこちら

photo: Natsumi Kakuto / text: Wakako Miyake

若木賞

“写欲”を感じる、クオリティの高いポートレート

応募された作品を見ていると、全体的に野生っぽさがあるものと、飼い主がいて安心しているものに分かれると感じました。どちらにも魅力があって惹かれるのですが、今回選んだのは、安心系。ポストカードにしたくなる、ポートレートのような写真をピックアップしました。言うなれば、1980年代のグラマラスポートレートでしょうか(笑)。

みんな自然光で撮っていて写真自体、とてもきれいです。その写真としてのクオリティを第一の基準として、その中から表情が強い猫たちに絞ってみました。技術も高いとは思うのですが、それに加えて、撮りたい!という写欲が湧いてカメラを向けたのだろうな、と感じられるのがいいですね。この表情を、この瞬間を撮りたい、という欲が感じられる。その気持ちは僕もよくわかります。

甲斐賞

余すところのないかわいらしさに共感できる作品

2019年まで愛猫とともに暮らしていました。そのときは私もたくさん写真を撮っていました。その飼い主目線で見ると、あるあるだな、というのが多くて。「妙に人間ぽい仕草をすることってあるなあ」とか「こういう瞬間、愛おしいよね」などといちいち共感しながら一枚一枚、見ていました。

応募された作品、本当にどれもよかったので、選ぶのにとても迷いました。あと猫って意外とかわいくないところもかわいいんです。うつぶせになっているクロエとか、顔は見えないのだけど絶望しているようなポーズがたまらない。おじさんみたいな座り方をしている猫も、おかしみがあってかわいい。

私は猫グッズも好きなので、雑貨にして持ち歩きたい!というものもありました。どれも猫への愛情にあふれていて、見飽きることがありません。

脇田賞

質感や行動、まじまじ観察できるディテールに着目

実は猫アレルギーだと思っていたこともあって、自分では飼ったことがないんです。憧れの存在として、外から見守る感じでした。なので、私が個人賞として選んだのは質感がわかるというかディテールが写っているもの。猫ってこういうふうになっているんだと、普段は見られないものを見せてもらった感覚です。アップにしたり、動きを捉えたりすると、よりディテールが強調される気がします。

もう一つは、小物とのバランス。うめとゆずは、本や植物に交ざって、まるで置物みたいに鎮座。モモの新聞の下に入っちゃっている姿もいい。作り込んだわけではないのに、自然といいところに猫が来ている。撮り手もこの瞬間の配置がいいと思ってシャッターを切ったのだと思います。全体にそれぞれの個性が感じられる、素敵な写真が集まったと思います。

BRUTUS 愛猫写真グランプリ!〜前編〜