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TEAM〈Vans〉に学ぶ、ゴルフのお手本〜CALIFORNIA GOLF STYLE〜

カリフォルニアといえば、暮らしのそばにゴルフがあって、ふらっと遊びに出かけるのが日常。ある日、この地に本拠地を置く〈Vans〉のライアン・ポッゼボンが、仲間を連れてゴルフ場に現れた。サーフ&ターフ、スケート&ターフを地で行く彼らの半日に密着!

photo: Sean Hazen / text: Megumi Yamano

スケートボードのように励まし合って、仲間と喜ぶ

2023年7月頭の独立記念日が終わって、日常生活が戻ってきた週末。雲一つない晴天に恵まれたこの日、白のクラシックなメルセデスで現れたライアンは、〈ディセンダント〉のボタンダウンシャツに〈シュプリーム〉のチノパン、足元はもちろん〈ヴァンズ〉という着こなしだ。オフィスから30分ほどの距離に位置するこの場所は9ホールのパブリックコースで、ビックスビー・ヴィレッジという住宅街にある。

長らく通い続けるライアンにとってはまさにホームコース。するとヴィンテージのアロハシャツを纏(まと)ったニールと、〈メタルウッド〉のキャップを被ったダニエル、最後に〈マルボン・ゴルフ〉のゴルフバッグを背負ってアコが現れて本日のメンバーが揃った。

アメリカ〈ビックスビー・ヴィレッジ・ゴルフコース〉のクラブハウス
アットホームな雰囲気の〈ビックスビー・ヴィレッジ・ゴルフコース〉のクラブハウスは初めて訪れる人でも安心できる。

小さなクーラーバッグにドリンクを仕込んできたニールが皆にビールを振る舞い、いざラウンドへ。たとえいきなり池ポチャしようが和気あいあいとしたムードで、スコアを競う雰囲気はまるでない。たしかに、ライアンは普段からスコアをほぼ数えないようで、ベストを尋ねても首を傾げていた。

それでも4人ともボールを打つときは真剣そのもので、全員でパターの練習を始めるなど、部活のように楽しんでいる。普段はスケートやサーフィンをすることの多い彼らにとって、ゴルフは一体どんな存在なのだろう?

「小さなボールをホールに入れるのは最も難しいゲームだと思う。結局は自分との闘いだから、いつもこのチャレンジを楽しんでいるよ」とニールは語る。一方アコは、「ゴルフは仲間と、外で良い時間を過ごすことができるもの。ルールとマナーさえ守れば、必ずしもポロシャツをタックインしなくてもいいし、カントリークラブの会員である必要もないんだ」。

アコとダニエルはゴルフ観戦好きで、6月にロサンゼルスCCで開かれた全米オープンも観に行ったという。さらに4人の中で唯一のサーファーで、最近は9歳の娘とゴルフを楽しんでいるダニエルが続ける。「今のゴルフは多様性があって、より若い人にも広まっている。そしてここ数年、ファッションと交わり合っているのも面白いと思う」

そんな話をしているうちに、最後の9ホール目にやってきた。途中までつけていたスコア表はどこかへ姿を消してしまったが、みんな最終ホールに集中し、気合を入れる。最後に、スケートボードとゴルフの共通点を聞いてみた。

〈Vans〉北アメリカのマーチャンダイジングディレクター・Daniel Hernandez、〈Vans〉スケートボーディング部門のデザインディレクター・Neal Shoemaker、〈Vans〉シューズデザインのシニアディレクター・Rian Pozzebon、〈OTW by Vans〉グローバルクリエイティブディレクター・Ako Jefferson5
9ホールを約2時間で終わらせて、遅めのランチタイム。キンキンに冷えたドリンクで乾杯し、晴れて週末へと突入。

「スケートボードは成功するまで何度も同じトリックを試し、成功したらお互いに褒め称える。これはゴルフも同じで、励まし合いながら何度も挑戦して、うまくいったら一緒に喜ぶ。一緒に過ごした時間が楽しければ今日みたいないい日になるんだ」とアコは答える。そしてゴルフ歴が一番長いライアンが付け足した。

「若い頃はゴルフに夢中にならなかったけど、それは忍耐力に欠けていたんだ。年齢を重ねてそれが増した今ではゴルフは、僕の大きな楽しみだ。そして、終わったあとに皆とクラブハウスでチーズバーガーを食べるのが何より最高なんだ」