魚座の星模様
現実との折り合い
週の前半、知性や情報を司る水星は乙女座エリアを運行しています。水星は、逆行している天王星(改革)と冥王星(運命)と調和的に繋がりながら、逆行中の魚座エリアの海王星(霊性)と向かい合います。
この配置により、過去に自分が関わってきた人たちがくれた現実的な意見を思い出すかもしれません。
魚座は、大きな海のように、どんな物事も受け止めるキャパシティを持っています。過去にこだわることもあまりありません。しかし、今週に限っては、以前誰かから投げかけられた一言や眼差しが心に蘇り、小さな棘が刺さったように感じそうです。
23日、魚座にとって「神の啓示を聞く場所」であり、遠方への旅を意味する場所に、愛と喜びを司る金星がやってきます。憧れの場所への旅行を夢見て、“心ここにあらず”になってしまうかも。好きなものを学ぶには良いタイミングです。
25日から26日にかけて、月(感情)が火星(勇気・闘争心)と重なります。情動に突き動かされ、自己主張をしたくなるときです。感情に任せた振る舞いをしないように気をつけましょう。
26日、水星は乙女座から天秤座に移動し、天秤座エリアの太陽に近づいていきます。目上の人から良いアドバイスがもらえるでしょう。平和と調和は「長い物には巻かれろ」の姿勢で生まれるのかもしれません。少しリアリストになる週です。
今週の全体の空模様
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「なんとなく街を眺めて、なんとなくその場の型に従っていると、そのうちに周りの物事に対する疑問は次第に薄れていくのである。私たちは、なぜその行動をしているのか、なぜその場所にそのルールがあるのかを改めて考えなくなる。そうすると今度は物事の判断基準が『ルールに従っているか』に変わってしまう」
──ハナムラチカヒロ『まなざしのデザイン』
占星術には、12のサイン(星座)を人間の成長になぞらえる「グランドサイクル」という概念があります。これは春分の日をスタートとし、牡羊座から乙女座までの6つのサインには、社会に出る前の準備期間、言い換えれば「個人」「子供」の時代が当てはめられています。
そのあと7つ目のサインが、秋分の日を起点とする天秤座。ここから、社会に参加していくこととなり、「集団」「大人」の時代が始まります。グランドサイクルで見る天秤座は、子供時代が終わり、大人の世界へと進む季節なのです。
22日に太陽は天秤座エリアに入り、集団の中で習得する、秩序や調和を構築する力や社交性、公平性への感覚などが世の中のテーマになってきます。
今週は23日に、愛と喜びを司る金星が蠍座エリアを運行し始めます。蠍座は水のエレメントに属し、他者との強い絆を求める性質を持ちます。人恋しくなりやすいときです。心から安心できる人と、静かな場所で交流したくなるでしょう。
26日には知性やコミュニケーションを司る水星が天秤座エリアに移動します。この水星は同エリアを運行中の太陽を追いかけ、どんどん近づいていきます(ぴったり重なるのは10月1日)
。
社会全体が“天秤座的”な秩序と平和を求めていきそうです。ただし、その秩序とはときとして単に「波風を立てず丸く収める」ことを意味します。すると、公正さや公平さがもたらされるとは限りません。
天秤座のエッセンスが強まると、何事にも「中立」の立場を取る人が増えるかもしれません。それは公平を期すためではありますが、場合によっては、マジョリティに迎合したり既存の構図を擁護したりする立場にもなります。保守的になりすぎていないか、真に中立であり得ているか、意識したいときです。
トランスサタニアン(土星以降の天体)の海王星(霊性)、天王星(改革)、冥王星(運命)は引き続きコネクトしたままで、「一度全部ひっくり返してやり直してみよう」と、運命を大胆に動かしています。
どのような世の中をつくり、どのような未来を見たいのか。それぞれが「社会の構成員」として何を望むのかを考えられる週です。
岩手の自然と人の手で紡ぐ腕時計。匠の技を未来に継承する、〈グランドセイコー〉の新しい工房