牡羊座の星模様
見賢思斉
今週、太陽が運行しているのは乙女座エリアです。火のエレメントに属する牡羊座は、生まれたばかりの純粋な炎の力を持ち、前が見えなくても直感で突き進みます。
それに対して、地のエレメントに属する乙女座は、思考を優先し、自分のコントロールできる状態を好みます。目で見えないものの数値化を試み、そこから綿密な作戦を立てて進もうとするサインなのです。
情熱や勢いで進む牡羊座と、冷静に物事を観察する乙女座。全く違う同士だからこそ学び合うことができます。今週は、乙女座的なエッセンスを吸収して、普段よりも慎重に物事に取り組み、やるべきことを着々と進めることができそうです。
火星(意欲・闘争心)は逆行中の海王星(霊性・融解性)と、木星(拡大)は逆行中の土星(節度・試練)とぶつかり合います。ふいに過去の記憶が思い出されるとき。昔縁があったものと繋がったり、街中で旧友にばったり会ったりするかもしれません。
29日、水星(知性)は「自己表現」を意味する場所で順行に戻ります。自分の意図がスムーズに人に伝わるようになるでしょう。
同日29日、金星(愛と喜び)はホームグラウンドである天秤座エリアに入り、その直後に、水瓶座エリアで逆行中の冥王星(運命)と調和的に繋がります。“運命の人”に出会えるようなタイミング。素敵な人やモノに一目惚れするかもしれません。
今週の全体の空模様
ただそこにあるものを
「身支度をして畑へ行った。驢馬たちに荒らされた畑から、被害を免れた野菜を収穫する。じゅうぶんな量が穫れた。踏み荒らされた植物も枯れてはいない。すぐに太陽を目指して立ち上がるだろう」
───井上荒野『理由』
乙女座エリアを運行する太陽には、月を除いてどの天体もコンタクトを取っていません。そのため、各星座に対し、乙女座的なエッセンスがそのまま届くようなイメージが浮かんできます。
乙女座は、「分析」「分解」「解剖」というキーワードを持ちます。物事を淡々と見つめ、眼前のものをありのままに捉える力を備えたサイン(星座)です。その力とは、計測や数値化によって“見えないもの”を“見える”ように記録していくものでもあります。
また、乙女座は行動が気分に左右されない強さももたらします。やる気の有無にかかわらず、迷いなくルーティンワークができる。高揚感や使命感といった“特別な情動”がなくとも、日々の勤めに取り組める「才能」を持っているのです。
今週は、そうした乙女座的性質が随所に現れてくるでしょう。シンプルに目の前にあるものに取り組むことが大切なのだ、という思いが広く共有されていきます。
また、双子座にいる火星(意欲)が魚座で逆行中の海王星(霊性)と、同じく双子座にいる木星(成長・拡大)が魚座で逆行中の土星(試練・節度)と激しくぶつかり合っています。この配置により、世の中に嘘や誤情報が溢れ、混乱が起きやすいかもしれません。
27日の夜半には、月・火星・木星が双子座エリアで並びます。誰かとお喋りしたくなるタイミング。相手の価値観を知ることによって、自分自身の価値観が明確になるでしょう。
29日、水星(知性・コミュニケーション)は獅子座エリアで順行に転じます。手配していたものが届いたり、情報の伝達をスムーズにできたりするでしょう。振り返りや見直しといった作業が終わり、前を向いて進めるときです。
同日29日、金星(愛と喜び)はホームグラウンドである天秤座エリアに入ります。その直後に、水瓶座エリアで逆行中の冥王星と調和的に繋がります。旧友との思いがけない再会など、嬉しい偶然が訪れそうです。
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