天秤座の星模様
憧れを形に
天秤座にとって「ここではないどこか」「体系的な叡智」を意味する場所での満月です。半年前の双子座新月では「自分の殻をやぶる」「憧れを形にする」ことを目指し、自己研鑽の実りを織り込んで誓願することがテーマでした。
今週の満月では、“憧れていたもの”に近づけているかを確認してみましょう。「いつもの自分の一段上」を目指して、具体的なアクションに移れていたなら、「人に見せたいような自分」になっている手応えがあるはずです。
憧れの姿がまだ遠いと感じる人は、日常の枠から思い切って外れてみましょう。向上心があっても、行動できていなければ“憧れ”は憧れのままです。たとえ「背伸び」でも、積み重ねることで本当に身についていくものです。
今週は太陽(創造性)と火星(意欲・闘争心)が、「身近な場所での学習」や「気軽な交流」「コミュニケーション」などを意味する場所を運行しています。意欲的に学ぶ友人の姿に刺激を受けて自分も頑張りたくなりそうです。姿勢を整えるエクササイズや筋トレなどにも向いているタイミングです。
また、週末に向けてゆっくりと、金星(愛と喜び)が冥王星(極端さ)とぶつかり合う角度をつくっていきます。長年の思い込みに気がつくことがありそうです。意外な事実の発覚で驚くかもしれません。
今週の全体の空模様
過激な雑誌
「つまり、自分で自分のことは何とかする『自助』と、誰からも支配されない『自立』は別物だ。なんとなれば、政府に言われる『まず自助でやれよ』は、そこからすでに国家から命じられる支配が始まっているのであって、言い方を変えれば、国はあなたがたから税金を徴収しますがあなたたちを助けることはしません、ということだ。これは、一般的に言う『ぼったくり』ということではないのだろうか」
──ブレイディみかこ『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』
27日は双子座エリアで満月があります。満月は、新月で蒔いた種の実りを収穫するとき。今週は、6月18日の双子座新月からフォーカスしてきたことが「満ちる」ようなタイミングです。
太陽の通り道である黄道は、ぐるりと円を描きます。これを12分割した各区分が、星座(サイン)となります。そのため、ひとつの星座のエリアは30度です。占星術では、これを細かく区切り、1度ずつに意味をつけて読む方法があります。
今回の満月が起こるのは、双子座の5度、「過激な雑誌」という名前がついた度数です。知性や言葉を使って、あえて事を荒立てる、“煽る満月”となります。
満月は目に見えない場所であり深層無意識(深い魂の世界)で輝き、過激で刺激的な情報が、表には出ずにあっという間に世の中に広がっていく様子が浮かんできます。
この満月のタイミングでは、射手座エリアを運行する太陽(創造性)と火星(意欲・闘争心)が重なります。月と太陽・火星は露悪的で暴走気味な力を帯びています。それを諫めるポジションに土星(責任・社会性)が入ります。
半年の間に、自分の望む世界を実現するには、新天地に真っ先に辿り着いてそこでのイニシアチブを取らないといけないと気づいたでしょう。この満月は、そのためには情報戦略の駆使が不可欠だと示しています。
何を善いもの(正義)としていくのか、様々な価値観が溢れ、世の中は昏迷状態に陥るかもしれません。それぞれが「自分の考えはまともだ」「自分は賢い」と信じて、声高に主義主張を唱えていきます。
陰謀論的言説も増えそうです。今週は混乱を極めた星回りなので、目に入ったものをすぐに信じることはせず、慎重に情報に接しましょう。
魚座エリアを運行する土星が「あらゆる命を尊重しながら生きる」というテーマを置いていくので、秩序や節度が生まれそうです。
また、今週、12月1日には水星(知性・コミュニケーション)が山羊座エリアに移動します。交渉事が捗り、実際的な議論が進みそうです。地に足の着いた知性によって対話がなされる場面が増えるでしょう。
岩手の自然と人の手で紡ぐ腕時計。匠の技を未来に継承する、〈グランドセイコー〉の新しい工房