今週の空模様
「やまあらしの一群が、冷たい冬のある日、おたがいの体温で凍えることをふせぐために、ぴったりくっつきあった。だが、まもなくおたがいに棘の痛いのが感じられて、また分かれた。温まる必要から、また寄りそうと、第二の禍がくりかえされるのだった。」
──ショーペンハウアー『ショーペンハウアー全集 14 哲学小品集(Ⅴ)』
今週は25日に蠍座エリアで新月があり、同時に日食が起こります。(日本では影響は少な目です。)
今回の新月には「心通わす連帯」や「壊れたものを修復しようと力を合わせる」というテーマが含まれています。
さらに、太陽と月に愛と喜びを司る金星も重なり、多くの人とともに目標に向かって走る楽しさを感じられそう。心を一つにすることで清々しい喜びが生まれます。
しかし、「日食(凶の印)」によって絆を揺るがすような出来事が間接的に起きるかもしれません。
また、新月のタイミングで、戦いや闘志を司る火星が“制御を超えた”状態で、存在感を増しています。この火星の影響で、世の中全体で徹底的に無駄を省く傾向が広がりそうです。
「過剰なやる気」や「視野狭窄」も出てきて、張り詰めた空気が漂ってきます。
「仲間になりたい、連帯したい」という願いと、「誰と繋がっていけばいいのか判断を厳しくしないといけない」という尖った感覚が同時に生まれ、ギクシャクして、上手く手を繋げないイメージです。
(港に何艘も船があり、どの船に乗せてもらえるのか、乗りたいのか、閉塞した社会からどっちに逃げたらいいのか焦るような気持ち)
個人主義的な価値観を現代人は強く持つがために、容易に人と連帯しにくくなっているかもしれません。
しかし、社会を動かすためのダイナミックなパワーを得るには、理念の軸が共通してさえいれば多少の違いには目をつぶって協働することが求められてくるでしょう。
新月は物事をスタートさせるタイミングとして吉とされています。そして、願い事がすでに叶った形で天に宣誓する「アファメーション」が効果があると言われています。
各星座ごとにテーマが変わりますが、「誰かとの連携強化」というのは共通します。宣誓を5〜10個、便せんや手帳などに書いて意識することで、半年後の蠍座満月のときにその宣誓が現実になっているというおまじないです。
新月は種蒔き、半年後の同サインでの満月が収穫となります。
30日には火星が逆行し始め、海王星(夢や融解力)と激しくぶつかり合う配置になります。さらに逆行中の木星(成長・拡大)も魚座エリアに入ります。
そのことにより、嘘やデマが多くなり、何を信じたらいいのかわからなくなるかもしれません。流言飛語に揺らされることなく、真偽の見極めをより慎重にしたい時期が始まります。(特に来年1月中旬まで)いい話には充分注意を払っていきましょう。
蟹座の星模様
夢を見るなら地に足をつけて
この新月は「仲間とクリエイティブなことをする中で自己表現や自己実現をする」をテーマにチャレンジ(種蒔き)を始めるのに相応しいタイミングです。
自分の持ち味を活かせるようにしつつ、仲間と協働し、調和的にクリエイションする筋肉を鍛えていくことで半年後の満月(結実・収穫)のときに大きな成果を得られるようなイメージです。
日食の影響がもしあるならば、息を合わせる難しさに挫折しそうになったり、心が不安定になって、もっと周囲に自分を理解してもらいたいと願ってしまったりするかもしれません。
互いが主張を押し付け合うのではなく、それぞれの立場や心情を汲んで譲り合うことができれば素晴らしいチームワークによる成功が得られるでしょう。
火星と海王星の影響で、自分に都合の良い夢や妄想が膨らみすぎて、ここではないどこかに逃避したくなるかもしれません。
また、本当は直視した方が良いコンプレックスやトラブルから目をそらし、他のことに夢中になることで誤魔化してしまうような弱さが出てしまうかも。
もし、そんなコンディションになってしまったら、本当に今自分の頭をいっぱいにしているものが人生の真の喜びに繋がっているのか、厳しい目で自分を見つめることも大切です。
このタイミングでは、夢と目標を区別し、できることとできないこと、やりたいこととやりたくないことをクリアにすると迷走から抜け出すことができるでしょう。
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