今週の空模様
「宇宙の或る何所かで、私がそれを【見た】ということほど、私にとって絶対不惑の事実はない」
──『猫町』萩原 朔太郎
今週17日、天秤座エリアを運行中の太陽に、恒星のスピカが重なります。
スピカは天上では豊穣の女神の麦の穂の位置にあり、天与の才能や、人気、和合、成功、名声といったポジティブな意味を持ちます。華やかな良いニュースが飛び込んでくるかもしれません。
週の前半は、基本10天体のうち、太陽・水星・金星・火星・土星の5天体が風のエレメント(双子座・天秤座・水瓶座)のエリアを運行しています。
風のエレメントが意味する「交渉」「コミュニケーション」「情報」「知性」「論理」などの要素が増え、情報戦や議論の場面が多く目撃されそうです。
何か大事な約束を結ぶようなことかもしれません。人々が社会に向ける意識の転換期にもなりそうです。
週末になるとがらりと空気感が変わります。23日に、太陽と金星が蠍座エリアを運行し始めるのです。
蠍座は「水のエレメント」「固定宮」に属し、深い感情、情念(デザイア)、洞察力、強い精神力、復讐心、秘密などがそのキーワードになります。
物事の奥深くに切り込み、不純物を取り除いていくようなパワーがある1カ月の始まりです。
23日にはまた、逆行していた土星が順行に戻ります。しかしその直前に、「留(ステーション)」と呼ばれる状態が訪れます。今週はその「留」の状態になっていると考えます。
順行になって数日たち、スピードが出てくれば何事もスムーズに進みますが、その手前の「留」のときは、その天体が象徴するものやその力が強調されるといわれています。土星の場合は「制約・責任・プレッシャー」などが強まると言えます。
2020年から様々な形で試練となって表れていた土星の影響ですが、今週の「留」は自転車で坂道をあと一息で上りきる......!という踏ん張りどころです。今週から来年3月までの期間で、2020年からのまとめのようなことがあるかもしれません。
魚座の星模様
コンプレックスの雲
17日は太陽+金星(愛と喜び)+スピカ(成功)の効果で幸運が巡ってくるかもしれません。それは「贈与(ギフト)」や「相続・継承」に関することで表れそう。
魚座にとっては、「ギフト」とは、ただ渡したり受け取ったりするものではなく、エネルギーの交換です。「呼(吐く)」と「吸(吸う)」の循環で構成された「呼吸」という行為のように、与えることと与えられることは一つなのです。
大きなものを受け取っても、それ以上に返す(返礼する)能力を持つ星座、循環をうながす媒体(魚座にエネルギーを注ぐのは、“お供え物”をすることと似ています。直接恩返しがなくても、与えたものはぐるりと天を迂回して、思ってもいないところから循環して戻ってくるのです)。
20日に冥王星(運命や極端さ)と太陽が激しくぶつかり合い、火星(闘争・意欲)と海王星(曖昧さ・夢幻)も火花散る配置になることで、受け取ったものをすぐに手放すようなことになるかもしれません。それでも安心して流れに任せておくと、またどこからか巡って戻ってきます。
23日に太陽と金星が蠍座に移動すると、「叡智・宇宙の哲学」のシーズンがやってきます。
魚座の直感力をさらに強化することのできる知識が、手を取って高い場所に連れ出してくれそうなイメージです。知らなかったことを積極的に知っていこうとすると良いでしょう。
土星「留」の影響は自分の心の奥深い場所にやってきそうです。2020年末から、モヤモヤとしたコンプレックスが潜んで、自分を好きでいるのが難しいときもあったかもしれません。
しかし、そのモヤモヤを晴らすために修練を積んだのであれば、自信がつき、雲が晴れていくでしょう。来年3月には土星が魚座エリアを運行し始め、「大人として」の振る舞いや精神を求められます。
今週からは、そこで顔をあげていられるように、準備運動をする時間になります。
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