今週の空模様
「希望は複雑な色をしている/裏切られた心臓の赤/日々の灰色/くちばしの黄色/ブルースの青にまじる/褐色の皮膚/黒魔術の切なさに/錬金術の夢の金色/国々の旗のすべての色に/原始林の緑 そしてもちろん/虹のてれくさい七色/絶望は単純な色をしている/清潔な白だ」
──「色」谷川俊太郎(*スラッシュは改行を表しています)
今週の10日は牡羊座エリアでの満月。満月は新月で蒔いた種の実りを収穫するとき。今年の4月の牡羊座新月からフォーカスしてきたことが「満ちる」ようなタイミングです。
この半年の間に、自分という命と世界全体のバランスについて考察を深めるきっかけとなった体験もあったかもしれません。それは、「自然の中での人間の在り方の模索」とでも言うべきものでした。
人がつくった社会制度や文化を遠い過去から再編成するきっかけ。当たり前と思っていることほど見直す必要があると思い出されるときでした。
今回の満月のテーマは、新月テーマを受け止めつつ「複雑さを内包し深く考えること」となります。
私たちがバラバラに生きていることを確認し、一つのものになれないのだと、納得をするタイミングになりそうです。世界を「一色」にしないこと。多様で多彩な色がそこにあると認めること。
男と女、 善と悪など、私たちのなかにあるあらゆる対立概念を、分断ではなく相補的に存在するものとして捉える。そして、多様さのみならず無秩序までもを包括し道を歩んでいく。そのために長考していく場面です。
正解は無数にあり、「唯一の正解」を得ることはできないと知ることが大切です。そのなかでそれぞれがそれぞれの「正解」や「本質」を求めて考えることが今週のテーマ。
「未完成」なままでの継続。完成しないことを恐れずに、過去の反省を踏まえてより良い道を考え抜く満月です。
牡羊座の星模様
複雑さを内包する
牡羊座で起こる満月のテーマは、「人に対する接し方のバリエーションが増える」です。
この半年間、いろいろな人がいる今の世の中でどのような会話や態度が正解かなどいろいろ考えを巡らせていたとしたら、いい落としどころが見つかりそうです。
誰かの言動に触れることで社会の仕組みやさまざまな価値観を学び、多くのことに気がつけたのではないでしょうか。その学びを大切にしつつ、さらに深く考えることを継続するのが大事だと実感できるタイミングです。
世間では、ものごとが単純化されてあたかもそれだけが真実かのように発信されています。しかし、その声高な主張に取り込まれずに、現実の複雑さに向き合っていき、柔軟に思考すること。それが、誠実さにもなります。
自分自身についても、心や魂、肉体、社会的な役割などをそれぞれ別々のパーツとしてとらえましょう。問題は各パーツごとに起きるものだと考え、切り分けて対処する方が健康的なこともあります。
自己の複雑さを容認し、同じように他者の複雑さを許していくこと。
11日に水星(知恵・コミュニケーション)が牡羊座の対向である天秤座エリアを運行することから、他者と向き合う場面が増えるかもしれません。理解しがたい相手と対話をし、耳を傾けることで、物事の奥行きを知ることができそうです。
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