今週の空模様
「山も川も、草も木も、水や土も、そして人間も、森羅万象は、それぞれが気を発しながら、全体性をつくり上げる運動に関わっている。全体性は、山川草木や水土や人間が制御できるようなものではない。人間はむしろ、その全体性に応じて動くちっぽけな存在でしかない。」
──『一億年の森の思考』奥野克巳
占星術は、天体やサイン(星座)と地上の万物とが互いに照応しているという考えで成り立っています。
9日に順行に戻る「冥王星」は、ギリシア神話では冥府の王であるプルートに当てはまり、「死と再生」を司ります。
元素の「プルトニウム」にもつながり、星空を解読する上では、地上(人間)から一番遠いところにある人知を超えた力として扱われます。人間がコントロールすることが難しい、運命や時代の流れに関わるものと意味づけられています。
冥王星は、山羊座エリアから水瓶座エリアに向かっていきます。この動きに合わせ、今週から来年にかけて、さらに時代が急速に変化をしていくかもしれません。
人間がコントロールできるものを過信することなく、運命の流れにも眼差しを向けていくことが大切になります。
今週は、水星(知恵・情報)と、海王星(夢や集合的無意識)、冥王星が調和の図を描いています。
運命的な出来事が起こる前の霊感的な閃きや、予兆、夢からのメッセージがありそう。世界を揺るがすような情報が駆け巡りそうです。
また、「コミュニティ」や「社会」という小さな単位ではなく、より大きな「人間の世界全体」を意識せざるを得ない場面が繰り広げられるかもしれません。
また、火星(闘争・燃えたつ力)と土星(責任・節制)が協力関係を結び、週後半になるほどに太陽とも調和的、協力的な配置になっていきます。
太陽には、天秤座の支配星(守護星)である金星(愛と喜び)が近づいていき、希望の光が灯されていくような雰囲気があります。
具体的に世界を変えるための思考の実験が行われるようなイメージです。自分も、自分を取り囲む社会も、手探りでありつつも「変わること」に対してポジティブになれそうです。
天秤座の星模様
静かに波に乗る
今週、冥王星と海王星のエッセンスを含んだ水星のキーワードは、「祈り」です。
水星が運行する場所は「深層意識」や「隠されたもの」という意味を持ち、精神や魂に関する場所でもあります。
平穏を望むとき、抗い難い運命の苦痛を和らげたいとき、誰しも超常的な存在をイメージするでしょう。
祈りを捧げるには、身体に意識を向け、自分の内側に降りていかなければなりません。蜜蜂のように飛び回る思考を落ち着かせるために、呼吸を整えたり、言葉を唱える。
今週は、自分自身だけでなく、深い場所で繋がっている世界全体を思い描きながら祈ること。自分が今何をなすべきか、自然とたどり着けそうです。根拠のない信頼や安心感を持ち、リラックスしていると、流れに乗りやすくなります。
太陽と金星は「自分自身」を意味する場所を、火星は「宗教・哲学」、土星は「創造性・喜び」を意味する場所を運行中です。
この4天体によって、自分を知り、高めていくための良いパワーを浴びることができそうです。学ぶこと、今居る場所よりも、より良い場所に向かう姿勢が大事。
ただし、火星&土星はオーバーワークもイメージさせるので、根を詰めすぎないように注意しましょう。
是枝裕和監督が指南。〈シャネル〉主催のフィルムメーカーサポートプロジェクト、観覧レポート