Feel

9月26日〜10月2日 蠍座の運勢【ブルータス週間占い】

毎週月曜8時更新、占星術師・七嶋ナオさんによる12星座別「ブルータス週間占い」。仕事や人間関係に活かせるアドバイスをロジカルにお届け。今週の蠍座(10/24~11/22生まれ)の星模様は?

Text: Nao Nanashima / Edit: Motoko KUROKI / Illustration: Aurélie Garnier

今週の空模様

「さあ、漕ぎ出さねばならない。ああ、岸辺にいるまに、ぼんやりと月日が経ってしまった。春は花を咲かせ、そして去って行った。そこで今、私は色褪せたむだ花を背負って、ぐずぐずしている。
波は騒がしくなってきて、堤の上の蔭多い小道では枯葉がひらひらと散っている。
何と言う空虚を見詰めているのか。
彼方の岸から遥か遠い歌の調べが漂って来て、そよ風の中に慄いているのを感じないのか。」
——『タゴール詩集 ギーターンジャリ』タゴール(渡辺照宏訳)

2020年に、産業革命から約200年続いた「地の時代」が終わり、「風の時代」が始まりました。

地のエレメントが示すものは、物質や経済、所有と豊かさ。風のエレメントが示すのは知識や情報、ネットワークなどになります。

時代が変わったと言っても、きれいに切り替わったわけではありません。まだ前の時代の価値観も残る今、世界では日々、常識が更新され、過去の清算かのような出来事が起きています。振り返れば、ほんの2~3年で、当たり前としていた世界の価値観やルール、見え方が全く変わったことに気がつくでしょう。

そんな最中、今週の26日に天秤座エリアで太陽と月が重なり、新月が起こります。

今回の新月は、「変わりゆく世界」を意識しながら過酷な運命を乗り越えるためのミッションについて、秘密の相談をし、意見のすり合わせをするイメージをもたらします。沈みかけているタイタニック号の中で、たまたま近くに居合わせた者同士で避難方法を話し合っていく場面のようでもあります。

また、見えていなかったものがクリアに見えてくるタイミングにもなりそうです。

例えば、社会的弱者の問題です。「弱者」は可視化されていなかっただけで、すぐ近くに存在しています。そして誰もが簡単に弱者の立場になる危うさを実感することがあるかもしれません。

また、環境問題や紛争などの影響を実感することに。エネルギーや食糧の供給が当たり前過ぎて、なくなるリスクが見えていなかったと気がつきそうです。

世界と自分は強く結びつき、離れることができないのだと覚悟をすること。

大きな方向転換をする前のざわめき。人間中心主義や経済成長主義を見直すチャンスでもあります。やり直すべきところをしっかりとやり直すことに意識を向けていくことが大切になりそうです。

また新月は、仕切り直しや心機一転をして新しいことを始めるのに適した「種まき」のときです。この機会に、願いがすでに叶った形で天に宣誓する「アファメーション」が効果があると言われています。

各星座ごとにテーマが変わりますが、「新しい世界との調和を求め、何を改めていくのか」ということは共通します。宣誓を5~10個、便せんや手帳などに書いて意識することで、半年後の天秤座満月のときにその宣誓が現実になっているというおまじないです。

さらに今週は29日に金星(愛と喜び)が、ホームグラウンドである天秤座エリアに入り、そのパワーを伸びやかに発揮できるようになります。

10月2日には、水星(知性・コミュニケーション)もホームグラウンドである乙女座で順行になり、スムーズに働くことができるようになります。足止めややり直しのあった計画が前に進みだしそうです。

蠍座の星模様

悩みを解かして

今週の新月は、蠍座にとって「無意識」や「人には見せない秘密」「バックヤード」を意味する場所で起こります。謎に満ちた深い海の底であり、目には見えていなくても、大きな深層意識が沈んでいる場所です。

また、新月の正面では木星(成長・拡大)が牡羊座エリアを逆行しています。相手に深く切り込んでいく、ねじ込んでいく、という力が生まれています。この場所は「奉仕的労働」と「自己ケア」「他者適応」を意味する場所であり、また、目に見えるものを扱い、表層意識の動いている場面になります。

新月は「無意識下で覚悟すること」がテーマになります。

自分の実際にやっている行為と、心の奥底、魂の求めるものが一致していくこと。嘘もごまかしもきかなくなっていくタイミング。

蠍座は、愛する人と一心同体になりたがり、一緒に行動し全てを共有することに喜びを覚えます。その一方、愛のために視野が狭くなりやすく、思い込みを抱えることも。

この新月では、共有済みだと思っていた予定や気持ちなどを一度棚卸しのように整理し、方向が正解かどうかを確認してみることが課題になります。

見落としていた重大なことに気がつくかもしれません。また、無意識に見ないようにしていた、相手と自分の温度差などの悩みごとを直視して白黒はっきりできるタイミングです。

新月アファメーションは、「無意識の見直し作業」「デッドストックの処分や整理」について天に宣誓すると良いでしょう。例えば、「辛く思い込んでいたことがなくなりました」「必要なものだけ残して断捨離しました」などです。

先週に引き続き、火星(意欲・闘志)と土星(責任・節制)が調和的配置になっています。学ぶこと、スキルアップすること、ストイックに自己研鑽することが吉のタイミングです。

29日に天秤座エリアに金星が移動する影響によって、よく眠れるようになるかもしれません。夢のお告げもあるかもしれません。

花井祐介ラグ

〈ペンドルトン〉のブランケットを再び手掛ける花井祐介と、ウーレンミルズを訪問

訪れる / PR