今週の空模様
「さあ、漕ぎ出さねばならない。ああ、岸辺にいるまに、ぼんやりと月日が経ってしまった。春は花を咲かせ、そして去って行った。そこで今、私は色褪せたむだ花を背負って、ぐずぐずしている。
波は騒がしくなってきて、堤の上の蔭多い小道では枯葉がひらひらと散っている。
何と言う空虚を見詰めているのか。
彼方の岸から遥か遠い歌の調べが漂って来て、そよ風の中に慄いているのを感じないのか。」
——『タゴール詩集 ギーターンジャリ』タゴール(渡辺照宏訳)
2020年に、産業革命から約200年続いた「地の時代」が終わり、「風の時代」が始まりました。
地のエレメントが示すものは、物質や経済、所有と豊かさ。風のエレメントが示すのは知識や情報、ネットワークなどになります。
時代が変わったと言っても、きれいに切り替わったわけではありません。まだ前の時代の価値観も残る今、世界では日々、常識が更新され、過去の清算かのような出来事が起きています。振り返れば、ほんの2~3年で、当たり前としていた世界の価値観やルール、見え方が全く変わったことに気がつくでしょう。
そんな最中、今週の26日に天秤座エリアで太陽と月が重なり、新月が起こります。
今回の新月は、「変わりゆく世界」を意識しながら過酷な運命を乗り越えるためのミッションについて、秘密の相談をし、意見のすり合わせをするイメージをもたらします。沈みかけているタイタニック号の中で、たまたま近くに居合わせた者同士で避難方法を話し合っていく場面のようでもあります。
また、見えていなかったものがクリアに見えてくるタイミングにもなりそうです。
例えば、社会的弱者の問題です。「弱者」は可視化されていなかっただけで、すぐ近くに存在しています。そして誰もが簡単に弱者の立場になる危うさを実感することがあるかもしれません。
また、環境問題や紛争などの影響を実感することに。エネルギーや食糧の供給が当たり前過ぎて、なくなるリスクが見えていなかったと気がつきそうです。
世界と自分は強く結びつき、離れることができないのだと覚悟をすること。
大きな方向転換をする前のざわめき。人間中心主義や経済成長主義を見直すチャンスでもあります。やり直すべきところをしっかりとやり直すことに意識を向けていくことが大切になりそうです。
また新月は、仕切り直しや心機一転をして新しいことを始めるのに適した「種まき」のときです。この機会に、願いがすでに叶った形で天に宣誓する「アファメーション」が効果があると言われています。
各星座ごとにテーマが変わりますが、「新しい世界との調和を求め、何を改めていくのか」ということは共通します。宣誓を5~10個、便せんや手帳などに書いて意識することで、半年後の天秤座満月のときにその宣誓が現実になっているというおまじないです。
さらに今週は29日に金星(愛と喜び)が、ホームグラウンドである天秤座エリアに入り、そのパワーを伸びやかに発揮できるようになります。
10月2日には、水星(知性・コミュニケーション)もホームグラウンドである乙女座で順行になり、スムーズに働くことができるようになります。足止めややり直しのあった計画が前に進みだしそうです。
魚座の星模様
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新月が起こる天秤座エリアは、魚座にとって「深い縁(しがらみ)」や「繋がりの中での変容」「継承(先祖代々)」を意味する場所です。
また、新月の正面では木星(成長・拡大)が牡羊座エリアを逆行しています。ここは「生まれたときから持っている財産」や、「自分の資質を活かした豊かさ」などの意味がある場所です。
この新月のテーマは「自分の才能を使って、人との隔たりを超えること」になります。
魚座は連帯性や共感性を大切にしています。何かするときは、周りに合わせての行動だったり、依頼や要請によるものが多いでしょう。
しかしこの新月では、その受け身な姿勢を転じて、積極的に相手に働きかけることが大切になりそうです。
思い切ってアクションすることで評価も上がりそうです。自分を社会でどう活かすのかがクリアになっていくかも。フィット感のある役割を発見できそう。
新月アファメーションは、「深く没入することによる成長」「しっかりコミットメントすることで得られる豊かさ」について天に宣誓すると良いでしょう。例えば、「積極的に仕事に取り組むことで評価を得ました」「しっかりと絆が結べ、信頼を得ました」などです。
先週に引き続き、火星(意欲・闘志)と土星(責任・節制)が調和的配置になっています。自分の心を縛るものが何であるのかをはっきりと見極められる好機。自分の軸をしっかりと持ちましょう。
29日に天秤座エリアに金星が移動する影響によって、何かを譲り受けることがあるかもしれません。受け取り上手でいましょう。
妄想書店。私が本屋を始めるなら。Vol.1:ミュージシャン・曽我部恵一