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9月26日〜10月2日 蟹座の運勢【ブルータス週間占い】

毎週月曜8時更新、占星術師・七嶋ナオさんによる12星座別「ブルータス週間占い」。仕事や人間関係に活かせるアドバイスをロジカルにお届け。今週の蟹座(6/22~7/22生まれ)の星模様は?

Text: Nao Nanashima / Edit: Motoko KUROKI / Illustration: Aurélie Garnier

今週の空模様

「さあ、漕ぎ出さねばならない。ああ、岸辺にいるまに、ぼんやりと月日が経ってしまった。春は花を咲かせ、そして去って行った。そこで今、私は色褪せたむだ花を背負って、ぐずぐずしている。
波は騒がしくなってきて、堤の上の蔭多い小道では枯葉がひらひらと散っている。
何と言う空虚を見詰めているのか。
彼方の岸から遥か遠い歌の調べが漂って来て、そよ風の中に慄いているのを感じないのか。」
——『タゴール詩集 ギーターンジャリ』タゴール(渡辺照宏訳)

2020年に、産業革命から約200年続いた「地の時代」が終わり、「風の時代」が始まりました。

地のエレメントが示すものは、物質や経済、所有と豊かさ。風のエレメントが示すのは知識や情報、ネットワークなどになります。

時代が変わったと言っても、きれいに切り替わったわけではありません。まだ前の時代の価値観も残る今、世界では日々、常識が更新され、過去の清算かのような出来事が起きています。振り返れば、ほんの2~3年で、当たり前としていた世界の価値観やルール、見え方が全く変わったことに気がつくでしょう。

そんな最中、今週の26日に天秤座エリアで太陽と月が重なり、新月が起こります。

今回の新月は、「変わりゆく世界」を意識しながら過酷な運命を乗り越えるためのミッションについて、秘密の相談をし、意見のすり合わせをするイメージをもたらします。沈みかけているタイタニック号の中で、たまたま近くに居合わせた者同士で避難方法を話し合っていく場面のようでもあります。

また、見えていなかったものがクリアに見えてくるタイミングにもなりそうです。

例えば、社会的弱者の問題です。「弱者」は可視化されていなかっただけで、すぐ近くに存在しています。そして誰もが簡単に弱者の立場になる危うさを実感することがあるかもしれません。

また、環境問題や紛争などの影響を実感することに。エネルギーや食糧の供給が当たり前過ぎて、なくなるリスクが見えていなかったと気がつきそうです。

世界と自分は強く結びつき、離れることができないのだと覚悟をすること。

大きな方向転換をする前のざわめき。人間中心主義や経済成長主義を見直すチャンスでもあります。やり直すべきところをしっかりとやり直すことに意識を向けていくことが大切になりそうです。

また新月は、仕切り直しや心機一転をして新しいことを始めるのに適した「種まき」のときです。この機会に、願いがすでに叶った形で天に宣誓する「アファメーション」が効果があると言われています。

各星座ごとにテーマが変わりますが、「新しい世界との調和を求め、何を改めていくのか」ということは共通します。宣誓を5~10個、便せんや手帳などに書いて意識することで、半年後の天秤座満月のときにその宣誓が現実になっているというおまじないです。

さらに今週は29日に金星(愛と喜び)が、ホームグラウンドである天秤座エリアに入り、そのパワーを伸びやかに発揮できるようになります。

10月2日には、水星(知性・コミュニケーション)もホームグラウンドである乙女座で順行になり、スムーズに働くことができるようになります。足止めややり直しのあった計画が前に進みだしそうです。

蟹座の星模様

分けることなく

新月が起こる天秤座エリアは、蟹座にとって「家庭や家族」「自室や居場所」などを意味する場所で、とても私的な場所です。

この位置にいる新月は、世界と自分との繋がりを実感させ、隔たりをなくしていくパワーを持っています。今より相応しい環境にベクトルを向ける力。

また、新月の正面には木星(成長・拡大)が運行しています。この場所は、「キャリア」や「社会参画」を意味する場所であり、公的な場所です。

この新月と木星の配置は、「公と私の二項対立的な見方をやめる」というテーマをもたらします。

生活は社会と繋がり、社会は生活の根底そのものであると気がつくこと。

蟹座は、理屈や倫理で判断するよりも、自分が共感できる相手の肩を持つ傾向があります。そして、共感し合える者同士でチームとなることを大切にします。

しかしこの新月では、「チーム優先」な性質があったとしても、「外側」にも目を向けて、内も外も一つながりのものだと理解し交わっていく感覚を養うことが課題になります。

社会と自分を繋げて考えることで、目の前に現れる誰かとも適切に関わっていけるようになれそうです。

新月アファメーションでは、「グラウンディング(精神的に地に足がついた状態にすること)」「居場所」について天に宣誓すると良いでしょう。例えば、「仕事と生活のバランスが良くなりました」「仕事と家庭のどちらも大切にできています」などです。

先週に引き続き、火星(意欲・闘志)と土星(責任・節制)が調和的配置になっています。内なる正しさが、自分本位なものではなく、周囲の人たちにとっても正義であるかどうかを確認してみましょう。

29日に天秤座エリアに金星が移動する影響によって、地元での運気が上がったり、家の中での嬉しいことや楽しいことが増えたりしそうです。部屋の模様替えにも良いタイミングです。

窓際で作業をする蓮沼執太

窓辺で創作すれば音楽も外に開いていく。音楽家・蓮沼執太が語る窓

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