今週の空模様
「本当の鍵は他者の重みをしっかりとらえることなのだ。他者は自分の拡大形態ではないこと、それは自分と異質な存在者であること。よって、他者を理解すること、他者によって理解されることは、本来絶望的に困難であることをしっかり認識すべきなのである。」
——『〈対話〉のない社会』中島義道
今週、太陽は乙女座エリアを抜け、23日に天秤座エリアを運行し始めます。
占星術での1年の起点は「春分点」で、牡羊座の最初の日も同じタイミングとなります(例年3月21日前後)。対向位置にある「秋分点」は天秤座の始まりであり、1年の折り返し地点となります。
占星術では、12星座一巡りで「誕生、成長、成熟、死」のグランドサイクルが描かれると考えます。
牡羊座=地上に誕生する、牡牛座=身の回りのことを五感を使って知る、双子座=好奇心を持って遊び、言葉を覚える、蟹座=仲間をつくる、獅子座=仲間から抜きん出る自己に注目する、乙女座=自分のできることを踏まえた上で社会に出ていく準備をする、と、各星座が象徴する流れ(ステップ)があります。
乙女座までが「個人の成長の時期」とみなされ、天秤座からは「社会に出る」「集団に参加していく」「社会的な人格に調整する」と、大人として振る舞わなければならない場面に切り替わっていきます。
天秤座のキーワードは「社交」「正義」「バランス」「美意識」と、凛とした緊張感のあるものです。
敵か味方かわからない相手を前に「交渉」や「契約」をすること、「私とあなた」という一対一の関係性も、天秤座の象意になります。
大人として出会い、互いに知ろうとするときに生まれる緊張感のあるつむじ風。見えないつばぜり合い、見えない決闘、社交界の厳しいルールやマナーを伴うやりとり。
今週、天秤座エリアを太陽が運行し、その対向位置である牡羊座エリアに木星が運行(逆行)しています。国と国の立場の違いなど、「集団Aと集団Bの対立」という要素が際立って見えてくるかもしれません。
個人レベルであれば、「自分と相手の違い」がテーマになりそうです。
天秤座と同じ「風のエレメント」に属する双子座エリアには火星(意欲・闘志)が、水瓶座エリアには土星(責任・制約)が運行し、調和的に繋がっています。
あちこちで議論が交わされ、社会の風通しが良くなっていくかもしれません。協定を結ぶための話し合い。
先週に引き続き基本10天体中6天体が逆行しています(水星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星が逆行中)。
そのうち、水星はホームグラウンドである乙女座まで戻ります。8月中旬から下旬にあった出来事をもう一度確認するようなこと、もしくは、その時期に失くしたものが出て来たり、その時期に考えていた大切なことを思い出すことがあるかもしれません。
何かを“やり直し”することがあったとしても手間と思わずにいると良さそうです。
水瓶座の星模様
発車準備
太陽が天秤座に入り、牡羊座エリアを運行する木星と向かい合うと、「誰かと対話をしたい」モードが強く出てきそうです。
水瓶座は天秤座と同じ「風のエレメント」であり、調和的にリンクし合う関係です。ここではないどこかに出向き、日常から離れ、知的探求心を満たすようなことができれば、とても潤う1カ月の始まりです。
また、火星も「風のエレメント」である双子座エリアを運行し、水瓶座エリアを運行する土星と仲良く繋がっています。「風のエレメント」は知性重視で議論好き、文化的コンテンツを通じて他者と繋がりたがる傾向があります。サブカルチャーにはまりやすいのも、風のエレメントが強いタイプの人が多いです。
今週は、文化的な交流を通じて、自分が今の世の中でどのように生きていくのかを悩み、熟慮するような週。やりたいことの輪郭線を浮き彫りにしていくこと。「単なる遊び」ではなく、生きる意味を問う遊びに浸ることができたら良さそうです。
また、今週は乙女座エリアを運行している金星(愛と喜び)に、天王星(改革・刷新)、海王星(夢や幻、融解力)、冥王星(極端さ・運命)の外惑星チームがコンタクトをとっています。水瓶座にとって乙女座エリアは「贈与」「遺産相続」「継承」を意味する場所になります。
もらって嬉しいお下がりが手に入るようなイメージです。受け取り上手でいましょう。
妄想書店。私が本屋を始めるなら。Vol.1:ミュージシャン・曽我部恵一