今週の空模様
「山の向こうから、夜明けがやってくる。圧倒的な朝の光、金とオレンジが透明な光線になって大地を訪れる。私が最も愛し、神聖に思う瞬間。濃い緑の間に光がきらめいて、満ちてゆく。何もかもが勢いのいい夢に思える。」
――吉本ばなな『SLY』
古代、財産と食料とは同義でした。古代メソポタミア地方でも麦の栽培のため暦が作られ、暦のために天体観測がなされ、天体観測から神話が生まれ、占星術の原型が生まれたのです。
財産を増やして、安心、安定して暮らしていきたい、と願うのは古代人も現代人も同じです。
今週の獅子座エリアで起こる新月は、そのような“財産”について再考をしていくための大きな気づきがあるタイミングになります。
「私たちの財産や豊かさについて」をテーマにした、力強い切り替えポイントがやってきます。富の再分配をどのようにしていくのかがテーマになるでしょう。
この新月には成長拡大を司る木星が調和的に繋がり、些末なことに気を取られずにしっかりとデータをもとに判断できる聡明さをプラスします。
これまで関心のなかった周囲の状況に目を向けて、自分が最先端ではなく“時代遅れ”だと気がつくとき。一瞬、自信を失うかもしれません。
しかし、克服すべき課題や目標もはっきりし、ショックを原動力にできるので、現実に直面することは悪いことではありません。新しく仕切り直しができるチャンスです。
天高い場所を、夢とイマジネーションを司る海王星が運行し、運命や抗えない大きな力を司る冥王星と調和的に繋がっています。イニシエーションをもたらす配置。
良い意味で読めば、過去の素晴らしい記憶の中で、魂の輪郭線を確認できるような“魔法の雨”が天から降り注ぐイメージ。
悪い意味で読めば、強力な魔王のような支配者の見せる夢に人々が陶酔して過去に浸ってしまうような情景です。
海王星が人々に見せる夢は、人類全体や社会全体(大きな目的意識)に自分という個人を捧げて、生き方に筋が通り、道のりがクリアになっていくというものです。人生の純化であり、無駄と判断されたものとは決別していきます。
できれば、良い展開に繋がるように、この新月からの半年後の獅子座満月のタイミングまで、自分が見ようとしているもの(希望)は何であるのか、自覚的でいる方が良いでしょう。過去を振り返るにしても執着しないようにしましょう。
また、新月には、願い事がすでに叶った形で天に宣誓する「アファメーション」が効果があると言われています。各星座ごとにテーマが変わりますが、「どんな希望を持ち、時代遅れの価値観からアップデートするか」というのは共通します。
宣誓を5~10個、便せんや手帳などに書いて意識することで、半年後の獅子座満月のときにその宣誓が現実になっているというおまじないです。
獅子座の星模様
進化の一歩
新月が獅子座エリアで起き、牡羊座エリアの木星がそこにコンタクトする影響で、自分を客観的に見つめ、冷静に自己評価ができそうです。
獅子座は性分として、強い意志を持つことを大事にしています。しかし、それが思い込みとなると、周りの時代の感性とずれが生じていきます。
この新月のタイミングで、様々なジャンルの流行の移り変わりを意識して、アップデートをしていかないといけないのだと強く感じ、切り替えていけるでしょう。
自己改革や自己研鑽の必要性を感じ、山籠もりや修行をしたくなるかもしれません。
専門家の著書を読んだり、レクチャーを受けに行くのも良さそうです。
海王星と冥王星の配置にプラスして、獅子座の真正面の水瓶座エリアに土星(責任・試練)がいるため、他者という鏡に自分が映し出されることになります。
他者の課題は自分自身と結び付いていると思うことで、見えてくるものがありそうです。自己理解がさらに深まるでしょう。
獅子座エリアを運行する水星と、牡牛座エリアを運行する火星(意欲・闘争心)と天王星(改革・刷新)は激しくぶつかります。
仕事のスケジュールで急な変更を求められたり、担当していた案件についクレーム対応をしたりするようなイメージです。カチンときたとしても、ぐっと我慢をし、大人の対応で乗り切りましょう。
新月アファメーションのテーマは、「自分自身」「アイデンティティ」について天に宣誓すると良いでしょう。例えば、「時代に合った考え方を取り入れました」「何を自分の軸にするか、再確認できました」などです。
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