今週の空模様
「貝殻をひろうように、身をかがめて言葉をひろえ。ひとのいちばん大事なものは正しさではない」
――長田弘『渚を遠ざかってゆく人』
14日には射手座エリアで満月があります。昨年12月4日の射手座エリアでの新月でアファメーションをした人はそのテーマの収穫のタイミングになります。
射手座新月は「利他的な愛」や「物やお金に執着せずに人に施す心」「慈悲や慈愛」「寛容さ」の再発見でした。
自分の価値観が確立されていても、ときには異なる意見や立場の人と交流することが大切です。
今週の満月では、それを大勢の人がいる場で実感するかもしれません。未来へのヴィジョンを引き寄せる力のあるような満月です。
同じく14日には順行に戻っていた水星(知性やコミュニケーション)が、ホームグラウンドの双子座エリアを運行し始め、「知的な活動と社会の連携」が強まります。
また、試練と責任を司る土星は、愛と喜びを司る金星と厳しくぶつかり合う配置になります。これまでの時代に「良いもの」「愛や喜びである」とされていた事柄などの見直しをしていきます。
例えば、美談に仕立ててしまっていた無料奉仕的な労働を、“やりがい搾取”である、と認識するような場面。“正しいこと”の再設定をするときかもしれません。
今週は、水瓶座エリアを運行している土星の存在感がぐっと高まるタイミングとなります。
土星が司るのは、試練と責任の他、「足場や土台」「構造を支えるもの」「制約や節制」「時として障害となるもの」などです。
水瓶座のエッセンスは多様性を尊重し、性別、年齢、社会階級、文化などによって“制限されない”ことや、未来志向、独自性を尊重するものです。
土星の“制約力”と水瓶座の”制限されない力”が組み合うことにより「制限されないためのルール」を獲得していく力になります。
これらの土星・水瓶座のテーマに対して、双子座エリアを運行中の太陽が調和的な関係性で結びつき、鈍くなっていた理不尽な制約や暴力的な出来事に対する感覚を取り戻していきます。
繊細なセンサーを働かせ、社会問題としてフォーカスし、「個人の知性を社会(集団)の中で活かす方法を模索」する意識が高まっていきます。
山羊座の星模様
無駄は省いて
太陽は「奉仕的労働」と「生産性」「努力して何かを習得する」などを意味する場所を運行し、土星は「生まれたときから持っている財産」や、「自分の資質を活かした豊かさ」などの意味がある場所を運行しています。
太陽と土星が調和的に繋がる影響で、状況が悪くてもそれを逆手にとり、逆転的な思考をすることで、大きな利益を手にするようなアイデアが生まれるかもしれません。
水星が双子座エリアを運行することで、より柔軟な考え方ができそうな様子です。
射手座エリアでの満月は、山羊座にとって「無意識」や「人には見せない秘密」「バックヤード」を意味する場所で起こります。
昨年12月の射手座新月では、「表層的な成功や賞賛にこだわらず、勝ち方にもいろいろな方向性があると知る」ということがテーマでした。
今回の満月では、多様性や異なる意見を認めることによって、「みんな違ってみんないい」と腑に落ちるような気持ちになるかもしれません。
土星と金星が緊張状態となると、自己表現や創作意欲について、厳しい方向転換や予算の制限を迫られる気配が出てきます。
もしくは、他にお金をかける必要なことが起こり、遊びのプランを組み直すことになるかも(散在する姫=金星、叱る爺や=土星)。
妄想書店。私が本屋を始めるなら。Vol.1:ミュージシャン・曽我部恵一