今週の空模様
「対話で得た結論は、いわば、知の“共有物”」
―― 山本貴光『BRUTUS 2021年7月1日号 大人の勉強案内』Study9より
西洋占星術で用いられる「ホロスコープ」は円形(360度)です。12サイン(星座)は概念上のものであり、ひとつのサイン(星座)は360度÷12=30度という、全て同じ大きさ(エリア)で分割されています。
今週は太陽が双子座エリアの16〜22度を運行し、社会に広がる全体テーマの主旋律を奏でます。
それは、雑踏のなかで語られる「言葉」が、集まって「群衆の言葉」となり、それが大きなエネルギー、大きな智慧へと進化するイメージです。
社会的な場面では、デモが盛り上がったり、政府の無茶な政策に対する反対の声が大きく上がったり、署名活動なども活発化するかもしれません。
自分一人では得ることができないものを得るタイミング。知性に飲み込まれるように触れて、今まで知らなかったことを受け入れ、バージョンアップしましょう。
対話で得た結論を多くの人と分かち合い、知の“共有物”にしていくことができそうです。
意欲とバイタリティを司る火星と、成長拡大を司る木星が、火のエレメントである牡羊座エリアを運行し、議論の熱が高まったり、行動的になる人が増えるかもしれません。
根拠なく自信がつくこともあるかも。ポジティブにこの天体の燃え盛る力を使うのは良いことですが、恐れるべきものはきちんと恐れる感覚をなくしてしまわないことが大切です。
また、時代を反映した問題や運命といった、大きなものを司る冥王星と、知性や情報を司る水星、夢やスピリチュアリティを司る海王星の調和的な配置があります。
集団から一歩離れ、自分の魂を海の底から拾い出し、過去も未来も愛おしみ、「美しい夢」を見ようとするようなムードが広がりそうです。
未来を見つめる想像力を大切にして、心や魂のような柔らかいものを守るために、知性や情報を活かしていこうとすると良いでしょう。
11日には、愛と喜びを司る金星と改革やサプライズを司る天王星が重なることで、「思わぬ喜びごと」がありそうです。
乙女座の星模様
打てば響く相手との対話
太陽は、「キャリア」や「公的な場面」「社会参画」を意味する場所を運行しています。
太陽が運行している双子座と、乙女座は同じ柔軟宮であり、ぶつかりながら強く影響をし合う関係にあります。
仕事の場において、互いに意見や見解を開示し合い、手ごたえのあるディスカッションを通じて、全体像を共有し、各々の良いところを抽出して先に進んでいけそうな週です。
個々の知っていることを持ち集めた集合知は、とても頼りがいのある杖のようなものです。より良い社会を築くために、個々の具体的な経験を踏まえ、全体の方向性を考えるのにも良いタイミングです。
社会についてのテーマが盛り上がるので、夏の選挙(参院選)について語らうのも良いでしょう。
乙女座と同じ地のエレメントである山羊座と牡牛座には、それぞれ冥王星と水星が運行しています。これにより「聖なる三角形」という調和的な配置が生まれます。
地のエレメント3カ所を、天体たちのエネルギーが滞りなく巡っているイメージです。ほんのりと夢見がちな状態で、理想的な未来を引き寄せるような力に包まれている様子です。
さらに冥王星と水星は、海王星と調和的に繋がっています。「聖なる三角形」の流れを、出口として海王星が引き受けるため、自分の状況を示唆するような神託的な出来事に触れるかもしれません。
何か決定的な事態が起こりやすい配置になっています。良くも悪くも、自分を深く知るきっかけになりそうです。
11日の金星と天王星の重なる配置は「遠方への旅」「ここではないどこか」「体系的な叡智」を意味する場所で起こります。
深い学びの中で目から鱗が落ちるような発見があったり、日常から離れた場面でひらめきを得られたりしそうです。
妄想書店。私が本屋を始めるなら。Vol.1:ミュージシャン・曽我部恵一