1.「スーパーモンキー孫悟空」/ピンク・レディー
僕が好きなのは、作り手たちがノリや遊び心で作って、それが世の中に広がっていった曲です。ただふざけているわけではなく、作り手が「これって面白いよね」と本気で遊んでいる曲。ザ・ドリフターズの子供向け番組『飛べ!孫悟空』から生まれた「スーパーモンキー孫悟空」は、阿久悠さんと都倉俊一さんの遊び心に溢れています。
番組のナビゲーター役を務めたピンク・レディーの「透明人間」をアレンジして、サビの「透明人間 あらわる あらわる」を「スーパーモンキー 孫悟空」という歌詞に変えている。放送当時、僕は幼かったのですが、今改めて聴き直すと子供向けとは思えないクオリティです。
2.「大迷惑」/UNICORN
単身赴任を告げられた会社員の哀愁を歌った「大迷惑」は、UNICORNのメジャー1stシングル。BOØWYのような不良っぽいロックが流行った時代に、こんなに身近なテーマをカッコよく歌う人たちがいるのか……と高校生ながらに衝撃を受けました。
音楽的には高度なことをやっているのにふざけた歌もカッコ悪い歌も作れる彼らの才能と遊び心が見えますよね。
3.「今夜はブギー・バック」/小沢健二 featuring スチャダラパー
そういう意味で「今夜はブギー・バック」は、作り手たちの肩の力の抜けたノリが世の中に波及した代表的な例ではないでしょうか。この曲が発表された1994年は、僕がお笑いの世界を志した年でもあります。
これを聴いて「自分たちが本気で面白いと思えることを世の中に伝えたい」と決意したのを覚えています。