香りや匂いは本能や感情を司る、大脳辺縁系に直接働きかけるといわれている。相手には想像以上のインパクトを残すのだ。香りによるイメージは、善きにつけ悪しきにつけ3割増しの印象を与えるという。ならばフレグランスと上手に付き合い、良い印象を残したい。フレグランスのスペシャリスト、パルファム ソムリエールの星谷奈央子さんに話を伺ってきた。
Q
不安定な世の中の状況が続いています。最近はどんな商品に人気が集まっていますか?
星谷奈央子
傾向としては、ジェンダーフリーでリラックス感のある香りが人気。天然素材にこだわった商品も増えているし、全体的にサステイナブルな観点は無視できない流れですね。メゾンフレグランスと呼ばれる香水専門のブランドも台頭する一方、トレンドを意識したファッションブランドの商品も人気が安定していますね。
Q
ルームフレグランスの需要が高まっていますが、その影響はあるのでしょうか?
星谷奈央子
従来は他人にアピールするために香りを選ぶ傾向がありましたが、最近は自分がリラックスできる香りを選ぶ傾向にシフトしています。石鹸の匂いが好きな人は清潔感のある香りを。ステイホーム中でも自然を感じたい人は、海や森を感じる香りを求めるなど、趣味嗜好とリンクしていますね。
Q
フレグランスをつける際に注意すべきことはありますか?
星谷奈央子
場所と量ですね。耳の後ろや首など、鼻に近い場所につけると、当然香りも強く感じます。気になる人は腰から下につけるのがおすすめ。15㎝くらい離れたところからウエストの両サイドにワンプッシュずつ。
レストランなどに出向く際には、料理を邪魔しない配慮が必要。到着30分前までに軽くつけたら、香りが自然と体に馴染みます。とはいえ寿司店や和食のお店などは特に配慮が必要。
Q
エントリーには、どんな香りがおすすめですか?
星谷奈央子
香りにはトーンがあるので、選ぶのに悩んだら柑橘やハーブ、ライトな木の香りなど、フレッシュな香りから始めるのがベター。かたくなに1つの香水を使い続けるのでなく、シーンごとに香りを使い分けることをおすすめします。特にリモート作業が多い今は、香りでONとOFFFメリハリをつけるだけで、休みの時のリラックス効果が、より高まるんです。