韓国の歴史ある教会が複合施設に。「休息」がコンセプトの文化空間〈MADE LIM〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回は韓国の気になるサービスを紹介。

photo: Mihyun Son / text: Saliy Higashiyama / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.歴史ある教会をアップサイクルし複合施設に。
2.シンボルツリーが聳え立つ、映えるカフェ空間。
3.別館のギャラリーでは展覧会も随時開催する。

韓国旅行の新名所は元教会⁉

韓国・仁川(インチョン)で120年の歴史を持つ教会を複合施設へアップサイクルした〈MADE LIM〉が話題だ。店名は「メイド林」を意識した造語。自然を尊重し、回帰しようとする現代人に休息をもたらす“文化の森”という意味が込められている。仕掛け人はソウルの企画会社〈FN PLACE〉。龍仁市のカフェ〈Time to B〉などで高い評価を得ている気鋭の建築デザイン事務所〈NONE SPACE〉と初のタッグのもと誕生した。

〈MADE LIM〉の外観

施設は3部構成。日夜多くの人で溢れるベーカリー&ダイニング〈Hall of the Forest〉(森の殿堂)は、本物の木を植樹したシンボルツリーが聳え立つ大胆な空間演出に目を奪われる。歴史文化館と名づけられたエリアは、年季の入った土壁や台風でダメージを受けた部分さえもそのまま保存。

既存の構造物の特性と記憶を留め、もとの建物らしさを損なわずに未来へと繋げることを第一にリノベーションされたという。さらには教会に付随する小さな礼拝堂を体験型展示空間として開放。レンガやステンドグラスなどのディテールは往時のまま。

現在は太古の昔の人間の感覚をテーマにしたインタラクティブ展示が開催されていて、壁一面に張られた貝殻や羽根などを、実際に触りながら五感で楽しむことができる。

教会の次は、古い仏教寺院を改修するプロジェクトを計画していると運営会社。宗教施設の新しい再活用法として、さらなる注目を集めそうだ。

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