Love

Love

愛する

【珍奇の現場】〈リゾナーレ 大阪〉に、珍奇標本が詰まった巨大キャビネット登場!

珍奇植物、珍奇昆虫、珍奇鉱物などの「珍奇シリーズ」の編集を担当する川端正吾さんが、そのビザールな現場からホットな情報を発信!第4回の今回は、星野リゾートが手がける〈リゾナーレ大阪〉に設えられた、珍奇な巨大キャビネットをご紹介します。

artwork: Keiji Ito / photo & text: Shogo Kawabata

連載一覧へ

星野リゾートが展開する「リゾナーレ大阪」に、珍奇な標本がズラリと並ぶ巨大キャビネットを備えた「アトリエカフェ」がオープンした。

幅7m近い専用キャビネットには、植物から鉱物、貝類、魚類、昆虫など、150点以上の標本がみっちり収まっている。

約7mある巨大キャビネット
約7mある巨大キャビネットはとても画角におさまらない!

例えば、フランク・ロイド・ライトがグッケンハイム美術館のモデルとしたとも言われる貝のチマキボラや(「珍奇貝類」特集も近い!?)、鏡のような反射率の殻で周囲の景色を自らに映し、光学迷彩のように風景に溶け込むプラチナコガネ、アーサー王の聖杯の素材だったと伝わるモルダバイトなど、好奇心をビシビシと刺激してくれる標本が解説ラベル付きで並ぶ。

さまざまな特別展示も開催!

そして、定期的にキャビネット内で特別展示も行われ、12月末までは珍奇鉱物特集でもお世話になったピーナッツミネラルズ・亀田和人さんによるファインミネラルコレクションの特別展示も開催中。

大迫力の大型標本にこだわった展示で、ジオード内に巨大な結晶が鎮座するニューヨーク産フローライトや、純白のスティルバイトに載った透明感溢れるアポフィライトなど、ミュージアムサイズの標本が楽しめる。

また、キャビネットとカウンターデスクが一体となった設計で、展示標本の一部を実際手にとってライトテーブルやルーペを使ってじっくりと観察できる。ヘリコプターのように回転してその生息域を広げたり、落下の衝撃を抑えているフタバガキや、植物の中で最も大きな翼を持ち、グライダーの原型ともなったアルソミトラ・マクロカルパの種子など、実際に飛ばしてみることもできるのだ。

実は、このキャビネットはSTRAIGHTでディレクションさせてもらったもの。什器施工は盟友的な標本好き家具工房「ソナワリラボ」にお願いした。こうした標本棚を作ることは、思いのほか本の編集作業と似ていて、どんな棚に、どんな標本を、どんな流れで陳列するかを考える日々は、とても高揚感のあるものだった。

この先、標本をどんどん充実させていき、この棚を育てていくことが今一番のモチベーションだ。

連載一覧へ