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バイヤー・山田 遊の人生最高のお買いもの「エレファントスツール」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。バイヤー・山田 遊さんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Satoshi Nagare / text: Ai Sakamoto

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20年以上いつも傍らにある、さりげない子

2000年に、ハビタから売り出されたリプロダクト。発売当日、勤務先の昼休みに買いに行ったのを覚えています。あれから24年、一昨年に家を新築した際に決行した断捨離もくぐり抜け、気づけばずっと傍らにある。

スツールとしてはもちろん、テレビ台、ベッドサイドテーブルなど引っ越すたびに役割が替わり、今はお風呂椅子として活躍しています。クラシックできちんとデザインされていて、ロングライフで。

決して派手ではないけれど、自然と一緒にいられる。バイヤーという仕事柄、モノをため込まず、自分の中を通り過ぎたら(役目を終えたと感じたら)手放すようにしていて。そう考えると、これくらいのさりげなさが一生ものだと思うんです。

エレファントスツール
MoMAのパーマネントコレクションでもある名作椅子は、1954年、柳宗理がデザイン。象を思わせるフォルムから命名された。写真のハビタ製の素材はFRP。

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