Love

写真家・在本彌生の人生最高のお買いもの「FUJIFILM TIARA」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。写真家・在本彌生さんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Yayoi Arimoto / text: Chisa Nishinoiri

連載一覧へ

写真家になるきっかけになった人生初のカメラ

客室乗務員として勤めていた20代の頃、乗客の方に薦められて買ったのがこのカメラ。当時の私はただ時間だけが過ぎる日々の中、サービス業ではなく何かカタチになるものを残したいとモヤモヤした思いを抱え、仕事に少し迷っていたんです。

「だったらカメラでも持って歩いたら?今なら新橋のウツキカメラで《TIARA》というコンパクトカメラが29,800円で売ってるから」と、すごく具体的に助言してくれたお客様がいて。フライトから戻ると新橋に直行し、言われた通りに購入しました。どうやらカメラが性に合ったようで、その後自宅に暗室まで作るハマりよう。それが現在の仕事につながっています。

今では壊れて使えないけど、手放せない一台です。

「FUJIFILM TIARA」
1994年発売のコンパクトフィルムカメラ。「28㎜の単焦点レンズで初めてカメラを持つ私でも扱いやすい名機。手が届きやすい価格帯も魅力的でした」

連載一覧へ