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〈CLASKA Gallery & Shop “DO”〉ディレクター・大熊健郎の人生最高のお買いもの「フィリップ・ワイズベッカーの絵」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。〈CLASKA Gallery & Shop “DO”〉ディレクター・大熊健郎さんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Kenya Abe / text: Keiko Kamijo

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憧れの画家に注文をした絵

フィリップ・ワイズベッカーの作品は、葛西薫さんが装丁を手がけた『HAND TOOLS』という本で知りました。その後2009年にギャラリーG8で久々の展覧会が開かれたのですが、本当に素晴らしくて。友人と5回ほど見に行って、毎回欲しい作品を言い合ったりして盛り上がったんです。当時はただのファンだったのですが、その後、縁あって一緒に仕事をして親しくさせてもらうようになり、描いてもらったのがこの絵です。幼い頃は大嫌いだったピアノを中年になって再開し、楽しみとなった記念にお願いしたのですが、彼の絵は直線的な線が特徴なので、グランドピアノの絵が届いた時には驚きました。今は自宅のピアノのそばに飾って毎日眺めています。

「フィリップ・ワイズベッカーの絵」
定規で几帳面に引く直線的な線が特徴。日用品や乗り物等、身の回りにあるものを絵に描くことが多いが、独特なデフォルメで味わいのある作品を描く。

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