自分の純粋な「欲しい!」に向き合った日
大阪・心斎橋にあった〈インターナショナルギャラリー ビームス〉で、忘れもしない68,000円。当時は19歳の浪人生で、どう考えても分不相応なのに母親にも相談してだいぶ迷った末に買いました。今なら買い物は社会に対してどんなスタンスのブランドかを重視しますが、この時は純粋に「これが欲しい!」。直感には従ってみるもので、社会人になって1回、イタリアの本店に送って修理した後も手入れしながら、30年経った今も現役です。小売りを営んでいると、忘れちゃいけないのが買い手の真っすぐな気持ち。まったく知らないブランドなのに「どうしても欲しい」と思えた自分の気持ちや、ものを買うことに超真剣に向き合った、初めての体験でした。