実用品としての“美”を教えてくれた椅子
5年ほど前、〈YAECA〉で見つけたウィンザーチェアは、おそらく100年以上前のアンティーク。全体的に小さいサイズ感は、子供用なのか?と思うほどですが、私にはちょうどよくて、書き物やパソコン仕事をするデスクの高さにもぴったり。
時間を重ねて飴色になった木の色や、全体的にぽってりした素朴な感じ。いい意味でウィンザーチェアらしくない愛嬌のある表情に一目惚れしました。作家名が立つ名作家具も素晴らしいし、好きだけれど、この椅子を部屋に置いた時、しみじみ「いいなぁ」と思ったんです。
工芸品としてではなく、実用品として美しい、愛おしいと思える。そんなモノ選びの姿勢や楽しみもそっと教えてくれた、大切な存在です。