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料理家・冷水希三子の人生最高のお買いもの「アンティークのウィンザーチェア」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。料理家・冷水希三子さんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Megumi Seki / text: Yuriko Kobayashi

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実用品としての“美”を教えてくれた椅子

5年ほど前、〈YAECA〉で見つけたウィンザーチェアは、おそらく100年以上前のアンティーク。全体的に小さいサイズ感は、子供用なのか?と思うほどですが、私にはちょうどよくて、書き物やパソコン仕事をするデスクの高さにもぴったり。

時間を重ねて飴色になった木の色や、全体的にぽってりした素朴な感じ。いい意味でウィンザーチェアらしくない愛嬌のある表情に一目惚れしました。作家名が立つ名作家具も素晴らしいし、好きだけれど、この椅子を部屋に置いた時、しみじみ「いいなぁ」と思ったんです。

工芸品としてではなく、実用品として美しい、愛おしいと思える。そんなモノ選びの姿勢や楽しみもそっと教えてくれた、大切な存在です。

アンティークのウィンザーチェア
お尻を包み込む楕円形の座面、「背中のツボにちょうど当たる」という背もたれのアール位置など、アンティークでも使い心地がいいというのもポイント。

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