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〈CAMPFIRE〉代表・家入一真の人生最高のお買いもの「永井博の《BEACH BABY》」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。〈CAMPFIRE〉代表・家入一真さんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Shinsaku Yasujima / text: Neo Iida

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シティポップが流れる店に飾った、まぶしい夏景色

昔からずっと原画を探していて、3年前に友人のギャラリーでようやく出会えました。永井さんならではのプールと海と空。近くで眺めると草木の光沢や波のきらめき、空の青のグラデーションまで緻密に描かれているのがわかります。1994年の作品ですが、今見ても新しいんですよ。僕は国内の作家を中心に300点近くのアートを集めていて、比較的若い世代の作品が多いんですが、その中にあっても違和感がない。僕一人で楽しむよりも好きなお店に飾りたいなと思い、青山・骨董通りのバー〈赤い部屋〉に預けています。夜はナチュラルワインを飲みながらシティポップを流してくれる店だから、この絵にぴったり。真っ赤な壁に夏のブルーがよく映えます。

『BEACH BABY』のジャケット
1994年にポニーキャニオンから発売されたコンピレーションアルバム『BEACH BABY』のジャケットになった作品。キャンバスにアクリルで描かれている。

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