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〈富士フイルム〉執行役員・堀切和久の人生最高のお買いもの「〈ATOMIUM〉の木製模型」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。〈富士フイルム〉執行役員 デザインセンター長・堀切和久さんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Koh Akazawa / text: Junya Hirokawa

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半世紀以上前の無銘のみやげを引き継ぐ不思議さ

1958年開催のブリュッセル万博の会場に立つ、高さ103mの巨大モニュメントが「ATOMIUM」。分子構造のような未来建築で、球をつなぐ直線部分にエスカレーターが通っている。

ATOMIUMの模型はいくつか集めていますが、もともと鉄の結晶構造を模してアルミ板を張った建造物なので、メタリックな素材で再現したものが多い。あえて木製というのは珍しく、ウォールナット素材のものも持っていますが、これはさらに貴重なブラジリアンローズウッドで、自分的にはATOMIUM模型の最高峰。

おそらく非公式なみやげ物で、当時は見向きもされなかったはずです。次は、同じものがもう一つ二つ欲しいですね。数を並べると、また光るものがあるんです。

〈富士フイルム〉執行役員 デザインセンター長・堀切和久の人生最高のお買いもの「〈ATOMIUM〉の木製模型」
「こんなに熱く語っていても、手放す日が来るかもしれないから面白い。今日の時点ではこれが人生ベストバイ。買い物は死ぬまで続く」と語る堀切さん。

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