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音楽クリエイター・ヒャダインの人生最高のお買い物「ブラウナーの真空管マイク・VM1」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。音楽クリエイター・ヒャダインさんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Shinsaku Yasujima / text: Emi Fukushima

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“声の鳴り”もピッチ変更も、意のままな一本

自宅での楽曲制作時、仮歌、コーラス、ハモリなどを録音する時に必ず使うこのマイク。2011年の購入以降に書いたほぼすべての曲の制作で活躍しています。

出会ったのは、初の自分名義のシングル「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」のレコーディング時。初めて訪れたプロユースのスタジオで使ったのがきっかけです。音質が良く、自分の声が明瞭に鳴るところに惹かれて当時70万円程度で奮発して購入。

ピッチの変更もノイズが入ることなく自在なため、女性アーティスト曲の仮歌収録にも重宝しています。容易に持ち歩けないし、デシケーターという防湿ケースで保管しなければならないなど手間がかかりますが、私にとっては虎の子のような一本です。

〈ブラウナー〉の真空管マイク・VM1
1995年にドイツで設立されたマイクメーカー〈ブラウナー〉による真空管式コンデンサーマイク。ナチュラルで原音に忠実な高い解像度のサウンドが特徴。

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