できないことの多さが、蒸留所の幸福な基盤に
知り合いのブルワリーがドイツから輸入し、20年くらい倉庫に眠らせていて譲り受けた1989年製の蒸留器。蒸留所を始める前に新品を購入しようと思って動いたものの、高価で注文して入手するまでにも時間がかかってしまう。そのため、前段階として入手したものですが、古くて仕組みも単純、やれることも造れる量も限られていたことが、結果的に今の〈mitosaya〉の少量・多品種生産という個性につながりました。
この蒸留器が出発点となり、自分自身の興味と関心も相まって、いろんな小規模な生産者さんとのもの作りを叶えられたのも、振り返れば嬉しいことです。機材や技術が一つあるだけで、自分の能力が広がっていくのは面白いなと思います。