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フードエッセイスト・平野紗季子の人生最高のお買い物「HF ダイアリー〈A5〉食べ歩き用」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。フードエッセイスト・平野紗季子さんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Satoshi Nagare / text: Tomoko Yasuoka

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この一冊から始まった。私の食べ人生すべて

出会いは習い事終わりに母親と待ち合わせをしていた文房具屋〈オレンジキャット〉、通称「オレキャン」。自由帳に給食のレポートをつけていた小学生だったので、このダイアリーを見つけた瞬間、「私にぴったり!」とお小遣いで買いました(たしか600円くらいだった)。

ここには小4〜小5の時に食べた40軒ほどのレストランの感想とショップカードが収録されています。「脂が舌の上で蕩(とろ)けちゃったんだもん♪もう最高でした〜」だとか「味はまあふ〜んってかんじだけど」なんて正直すぎるのもあったりして……(笑)。

忖度(そんたく)のないピュアさが可笑(おか)しいですよね。この一冊から私のフードエッセイスト人生が始まった、まさに原点であり宝物です。

HF ダイアリー〈A5〉食べ歩き用
「小学生にとって文具はファッション!」。かわいいアイテムを求めオレキャンには足繁く通っていたそう。食日記はこれ以外にあと3冊あるのだとか。

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