共同購入した山で過ごすかけがえのない時間から、資本主義を変えるヒントを探る
2022年、管理されずに放置された全国の森を保全していく一般社団法人〈コモンフォレストジャパン〉の立ち上げに参画しました。その活動の第1弾として、メンバーとお金を出し合って買ったのが、高尾山の一画。高尾山には国や市が管理している土地のほかに私有地もあり、特に交通の便が悪く、観光客が行きにくいエリアは、格安で売りに出されているんです。僕らが買ったのもそういう場所。
今後はその荒れ放題になった土地をメンバーと整えつつ、自然に触れ合う機会が少ない子供たちと一緒に季節ごとに変化する生態系を勉強したり、色々な活動をしていければと思っています。そうやってお互いに学びながら、一つのものをコモン(共有財)として育て、自主管理していく経験って大人になるとほとんどないので、かなり楽しいですね。
もちろん、この土地は僕だけのものではありませんから、個人が所有するための行為としての一般的な買い物とは違います。だけど、そこでみんなと過ごす時間の豊かさって、お金に換算できないんですよ。そうやってお金を使いつつ、少しだけお金を超えていく買い物にこそ、資本主義を変えるヒントがあるんじゃないかと思います。