美術家・会田誠の人生最高のお買い物「パナソニックの電動アシスト自転車」

人が欲しいと思うものには、その人の価値観や人生観が表れます。何を思い切って手に入れ、何を大切にしてきたか。“お買いもの”とは究極の消費行動であると同時に、自分の人生を彩るために何が必要なのかを教えてくれるものです。美術家・会田誠さんのベストバイ・ストーリーは?

photo: Yoichi Nagano / text: Shiho Nakamura

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その“中途半端さ”が僕に合っている愛車

2016年頃、当時住んでいた自宅からアトリエまでの道にある急坂にめげ、ついに購入。約15万円と結構高い買い物でしたが、以降、天使が背中を押してくれているかの心地で相棒と呼ぶべき存在に。

鬱屈と過ごしていたコロナ禍では、閑散とした夜の街をこれで走ればすこぶる気分転換になりました。ちなみに電動アシストの“半分くらい電力”という中途半端さも面白い。

だいたい日本の自転車をめぐる状況にしても、車道か歩道を走るのか、ヘルメット着用は“努力義務”と曖昧でしょう?あらゆる領域の日本の煮え切らなさに通ずるような。その半端さも自分に合っているわけで、僕も大いに日本的な人間なのだと電動アシストが改めて教えてくれました。

〈パナソニック〉の電動アシスト自転車
「年も食い、体力に自信もなく、洒落た自転車を決め込むキャラでもないし、適当な店で購入した」という自転車。その後、妻用にもう一台買い足した。

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