ひとり問屋・日野明子
坂根雄心の笠椀
「赤朽葉と名づけられた深い赤に惹かれました」。生活道具や器のいい作り手を見つけることを人生のミッションとする日野さんが「出会った瞬間に衝撃を受けた」のが、会津の塗師(ぬし)、坂根雄心による美しい漆椀。「岩手県の〈安代漆工技術研究センター〉で修業を積んだ作家だけあって、使うとなおさらいい。滑らかなフォルムの隅々にまで、洗いやすさや持ちやすさなど、日常の器としての配慮が行き届いていることを感じます」。
精神科医・春日武彦
『悪い子バビー』のTシャツ
「俺が撮りたかった!」と思わせられた『悪い子バビー』。「35年間母親に監禁されていた男が未知なる世界へ飛び出していくオーストラリア=イタリア合作映画です。オンライン試写で観賞後、新宿武蔵野館に観に行き、パンフレットへの寄稿、トークイベントにも登壇するほど気に入った2023年ベストの一本。観賞後の興奮に包まれて衝動買いしたという、稀有な体験まで含めてのベストバイです」。
歌人・穂村 弘
バイトアウェイ
虫刺されのかゆみを熱で緩和させる道具。「お医者さんに運動しなさいと言われたんです。おすすめは本気のラジオ体操を1日4セットだったのですが、大変そうだと思ってなわとびを始めました。そこで公園に行く時のお供がこれ。フォルムが蚊っぽくて面白いなと思っていたくらいだったのですが、効き目は抜群。かゆみがなくなるから搔くこともないし痕跡も残りにくい。はじめはびっくりするくらい熱を感じるけどすぐに慣れますよ」。
〈BEARD〉店主・原川慎一郎
ジュジュ野菜調理器 蜂の巣
ニンジンしりしりなどで、野菜を細長く切るための調理器具。「これを探してたんです。ポイントは2つ。まずはボディが木であること。プラスチックは壊れやすいんです。そしてリーズナブルなこと。高価なものは切れ味も抜群ですが、僕は粗削りにできる方が好きで。素材に味が染みておいしくなる。実際、木だから安定感があって使いやすいし、切れ味も僕好みでちょうどいい。かなりコスパのいい買い物ができました」。
アーティスト・セントチヒロ・チッチ
〈STUDIO THE BLUE BOY〉のChemigrams Rug #01
アートディレクター正田啓介のデザインスタジオによるオリジナルラグ。「ソロアルバムのジャケットにも写っている、大好きなブランドの一つ。これはポップアップで見て一目惚れしたんです。大きな買い物ですが、ラグは一生モノ、と思い切って買いました。リビングに敷いています。カラフルで部屋に彩りをくれるし、家に帰るのが一層楽しみになりましたね」。