Visit 2023.11.30 Visit 訪れる 2023.11.30 古今東西のカルチャーが混在する、美食の地。別府温泉で訪れたいスポット15選 老舗のベーカリーやおでん屋さん、街の新しい顔になったリスニングバーや南インド料理店まで。古今東西のフードカルチャーが混在する大分・別府温泉の今を楽しむ15のスポットをまとめてご紹介! 本記事も掲載されている、BRUTUS「おいしい、温泉。」は、2023年12月1日発売です。 photo: Yoichi Nagano / text: Naoko Ikawa / map: Shinji Abe 別府温泉で酒場&外湯ホッピング! 共同温泉〈竹瓦温泉〉 バー〈峰シティパブリック〉 ベーカリー〈友永パン屋〉 ナチュラルワインバー〈南インド会社〉 南インド料理店〈TANE〉 餃子専門店〈湖月〉 居酒屋〈チョロ松〉 中国料理〈小厨房 香凛〉 ナチュラルワインバー〈Pure Wine Bar Enfer〉 味噌蔵〈長寿味噌 坂本長平商店〉 宿〈HAJIMARI Beppu〉 リスニングバー〈TANNEL〉 酒店・角打ち〈Beppu Sake Stand 巡〉 食堂〈ふくや食堂〉 焼肉〈焼肉一力〉 共同温泉〈竹瓦温泉〉 浴衣着用で横たわると温泉で温まった砂をかけてくれる、〈竹瓦温泉〉名物の砂湯。バー〈峰シティパブリック〉 〈峰シティパブリック〉マスターの赤嶺国博さんは87歳。戦後、長崎・佐世保のキャバレーでカクテルを覚えた。進駐軍が去ると観光客で賑わう別府へ。一時のつもりが「温泉に満たされて今に至る」というマスターの話が楽しい。ベーカリー〈友永パン屋〉 1916(大正5)年創業の〈友永パン屋〉。和洋折衷の看板建築は別府のランドマーク。3代目の友永亨さん、千葉〈ツオップ〉で修業した息子の悠太郎さん、職人たちが味を守る。ワンちゃん1個130円。 ナチュラルワインバー〈南インド会社〉 梅園通りの名酒場が閉じる際「跡は南君に」と店主の指名を受け、南享吾さん(写真)が2020年に開店した〈南インド会社〉。店には宮迫竜さんが立ち、フレンチベースの小皿料理を手がける。南さんはホステル&カフェ〈ウルスケストラ〉ほか、別府に新しい風を吹き込む仕掛け人。2023年10月には、ナチュラルワインショップ&角打ちの〈六寛堂(りっかんどう)酒店〉も開店。 南インド料理店〈TANE〉 5周年を迎えた〈TANE〉の看板は、近郊農家の野菜を生かした清らかな味わいのミールス(数種のカリー、副菜、ご飯の定食)1,400円・1,600円。店主の太田豊茂さんによる現地仕込みのスパイス使いで体を温め、たっぷり汗をかいたら温泉へ直行。餃子専門店〈湖月〉 〈湖月〉は1947年創業。当初は食堂だったが、初代が満州で習った餃子が名物に。2代目は上瀧好治さん。現在は娘の由美子さん、政子さんが「素材はいいものを」という父の教えを守る。豚肉、タマネギ、キャベツを薄皮に包み、パリッと焼いた小ぶりな餃子は1人前15個600円(持ち帰り可)。 居酒屋〈チョロ松〉 1955年開業の〈チョロ松〉。名物女将といわれた2代目が2021年に引退する際、「味と雰囲気を守ってほしい」と託されたのが従兄弟の関屋太介さんだ。自身の店〈六盛〉も経営するが、同店で20年料理人を務めた父の背中を見てきたことから決意。「豚天」(5個)850円、「かも吸」1,300円(価格は11月現在)。中国料理〈小厨房 香凛〉 〈小厨房 香凛(かりん)〉は、別府大学大学院で日本文学を学んだ郝玲(ハオリン)さんが「日本に残りたくて」開店。餃子文化の豊かな故郷で親しんだ母方の祖母の味を、家へ招くようにお客らへ振る舞う。合鴨の餃子490円ほか。注文ごとにのばす皮は、たっぷりの具を包んでも破れずに、具材とスープの旨味をギュッと包み込む。 ナチュラルワインバー〈Pure Wine Bar Enfer〉 2011年に開店した〈Pure Wine Bar Enfer(アンフェ)〉。店主・楢本司さんのセレクトを味わう。グラス1,000円〜。味噌蔵〈長寿味噌 坂本長平商店〉 〈長寿味噌 坂本長平商店〉は1910年創業。麦や米の味噌を麹造りから手がける。販売可。麦赤粒みそ(1㎏)580円〜。宿〈HAJIMARI Beppu〉 2023年開業の〈HAJIMARI Beppu〉は、ホッピングの基点となる素泊まりの宿。食も温泉も街へGO。古いビルを建築家と陶芸家の夫妻がアーティかつ機能的に改装し、客室にはキッチン、ワークスペース付き。居心地よく、できるだけ長く滞在したくなる。1階に喫茶&ライブラリー、隣にうつわと焼き菓子の店〈うみとじかん〉も。 リスニングバー〈TANNEL〉 店主の深川謙蔵さんが、イギリスのスピーカー〈タンノイ〉1976年製と巡り合ったことから生まれたバー。空間の設計も素材も、高さ150㎝のスピーカーありきで選ばれ、元スナックのハコが生まれ変わった。ジャズやソウルのレコードを回してもらえば、「圧のない音」が、ほてった湯上がりの体を鎮めるように流れ込む。ああこれ、いい。〈TANNEL(タンネル)〉とは、「訪ねる」の大分方言だという。世界から温泉を目当てに多くの人が訪れる街で、看板のないバーのドアを開けた者たちだけが共に包まれる音。一期一会がすべての旅人にとって、それが別府という街の音になる。 酒店・角打ち〈Beppu Sake Stand 巡〉 大分市の地酒専門店〈丸田酒舗〉2代目の丸田晋也さんと、韓国料理家の梁原仙喜(やなはらそに)さんがタッグを組んで誕生した、ナチュラル時代の酒スタンド。旅先でも自然な造りのワインや日本酒を買って宿で飲める、ホッピングの給酒スポットに、一人でも昼間でも立ち寄れる、と言うことなしだ。つまみは「ちょっとずつ、いろいろ欲しい」酒飲み心をわかっているメニュー。中でも果物やスパイスを生かした、約10種類の自家製キムチは梁原さんの真骨頂。今夜の食事に迷ったら、地元・べっぴん商店街育ちの彼女やスタッフに聞くといい。湯のごとく熱々な別府愛で推しを教えてくれるから。 食堂〈ふくや食堂〉 戦後に大陸から引き揚げた初代が、1948年に屋台のうどん屋から始め、店を構えて品数を増やすと大賑わい。なかでも人気は、あっさり味のおでんだ。カツオだしの汁は代々継ぎ足し、煮すぎない。3代目の妻で女将の大田早苗さんいわく「下味をつけてから、おでん鍋で“温める”感じ」。その範囲でも、鍋の中で浅めから深めのグラデーションがある繊細さ。常連客は「すじはアキレス、浅めでね」などと注文するのだが、顔を見ただけで承知しているの呼吸。この心地よさで創業75年の今も口開け早々に席が埋まり、持ち帰り用の鍋やお皿を携えてくる近所の人もひっきりなしだ。 焼肉〈焼肉一力〉 1973年創業の、ジャスト50周年。3代目にあたる村上雄大(たかひろ)さんの祖父であり初代、明俊さんは元バンドマンだった。発想が自由で、ヒレやタンを赤ワインに浸けてから焼き、リンゴとバナナをたっぷり使う自家製タレにも赤ワイン。牛肉は〈おおいた和牛〉のA5一筋、鮮度命。ブロックを自分たちで解体し、注文後に切り分けるその肉は、角がピシッと立ち惚れ惚れとする。なのに、お値段は懐にいたく優しい。厨房もホールも親族だらけ、お母さんたちの目配り気配りも冴え、一見(いちげん)でも一人でも何不自由のない安心感よ。その証拠に熟年紳士が一人、また来週!の声に送られていた。 市内全景。別府八湯の一つ、鉄輪温泉は「別府の湯けむり」として国の重要文化的景観に選定。 関連記事 まるでサンセバスチャン?小さな酒場が密集する、大分・別府温泉でホッピング天国 〜前編〜 visit 訪れる 関連記事 まるでサンセバスチャン?小さな酒場が密集する、大分・別府温泉でホッピング天国 〜後編〜 visit 訪れる 特集「おいしい、温泉。」をチェック! 関連記事 前の記事へ まるでサンセバスチャン?小さな酒場が密集する、大分・別府温泉でホッピング天国 〜後編〜 Visit 2023.11.30 #大分 #温泉 デイリーブルータス #534 おいしい、温泉。in 別府 まるでサンセバスチャン?小さな酒場が密集する、大分・別府温泉でホッピング天国 〜前編〜 まるでサンセバスチャン?小さな酒場が密集する、大分・別府温泉でホッピング天国 〜後編〜 Videos 動画 【2/15発売】センスがいい仕事って? Videos 動画 【2/15発売】センスがいい仕事って?