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熱狂を肌で感じる。アウトドアフィルムの世界的祭典「バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル2022」が上陸です

カナダ・バンフ国立公園で毎秋開催されている、アウトドアスポーツのフィルムだけを集めた祭典「バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル」。世界中から集められるドキュメンタリーやアクションスポーツの映像は500作品以上!その中から選りすぐりの受賞作品を一挙に観ることができるワールドツアーが日本にやってきた。アウトドアのあらゆるプロモーションに関わり、自身も2度の出品経験を持つステラーズジェイの田中嵐洋がレポート。

text: Ranyo Tanaka

アウトドアスポーツの映像だけを集めた映画祭があるんです

本場の「バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル」会場風景。

最近は映像へのアクセスが、YouTubeやNetflixなどに様変わりしてきているが、僕はいつまでも大きなシアターで迫力の大音量とともに楽しみたい。それがアウトドアスポーツの映像だったらなおさらである。大自然の中で躍動するクライマーやスキーヤーたちの感動的な冒険ストーリーで涙を流し、自分の足でたどり着くことが難しいであろうアラスカやヒマラヤの極地へ、まるで自分がその場にいるような疑似体験ができてしまうのがシアターで映像を観る醍醐味であろう。

カナダのアルバータ州に位置し、トレイルを歩くと恐竜サイズのヘラジカに遭遇するような世界的に有名なバンフ国立公園。ここで毎年11月に開催される、アウトドアの映像作品に特化にした映画祭が「バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル」である。お祭りに集まってきた熱狂的なアウトドア愛好家たちの心を突き刺し、拍手喝采を浴びることを夢見て、世界中のフィルマーたちが映像を送り出すのである。いわばアウトドア界のレッドカーペットである。

映画祭「Banff mountain Film Festival 2022」のトレーラー。

大自然やエクストリームの映像を前に、観客は熱狂する

僕も過去に2作品、スキーとスノーボードのドキュメンタリーフィルムがノミネートされたことがある。会場には500人のお客さんが集まり、上映が始まるとやはり日本とは違って、感嘆の声を上げたり、映像の中のスキーヤーたちに向けて拍手を送ったり感情を表現するのである。映像が終わると何人かのお客さんに「グレートな映像だったよ」と声をかけられ、ハイタッチをした。受賞をすることはなかったが、一つのプライズよりもあの拍手喝采を浴びた時間は僕にとって特別な価値を意味する。

毎年バンフに届けられる映像作品数は500本を超えるそうだ。その中から80本ほどの映像がノミネートされ、審査員やお客さんの投票で受賞をした作品が翌年のワールドツアーに選出される。日本においてもツアーが予定され、3年ぶりに上映イベント「バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル2022」が国内5カ所で行われることに!一年の最高傑作が一堂に会するスペシャルなフェスティバルだ。

出品作品のトレーラーを一部公開!

『Follow The Light』
カッパドキアのドラマチックな風景に沈む夕日、熱気球のイルミネーション、そしてトルコの幻想的な風景が映像美として紡がれていく。
マウンテンバイクライダーたちがカッパドキアの新たな神秘的な世界をつくり出したフィルム。
『The Farmer』
アメリカ・ユタ州のワサッチ山脈にあるローカルスキー場。ここに伝説的なスキーヤーがいる。色あせた赤いスキージャケットを着て、パウダーの日には巨大な冷ややかなあごひげを生やして、毎日スキー場に現れる。人生の全てをスキーに捧げた愛らしい物語。

日本人にとって外国のアウトドアフィルムを観るチャンスなんてそうそうないだろう。それだけ、自然体験に対する文化が異なるのだろうが、日本で流行っているオートキャンプでは味わうことのできない、まったくの別世界に触れられるチャンスがそこにある。そして、一つの映像をキッカケに日本、そして世界に広がる大自然を擬似体験し、新境地を見出してほしい。

バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバル2022ポスター